きっかけは「麒麟がくる」だった
白木さんによると企画の発端となったのは、発売から遡ることおよそ1年。
当時は、明智光秀を主人公とするNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の放送を翌年に控える状況だった。本能寺の変に至る生涯が描かれるにあたり、ゆかりの地である岐阜県が「全体的に盛り上がる」と社長が耳にしたという。
「大河ドラマに沿った商品を独自で作った方が良い」と、社内で試行錯誤することに。しかし、「やっぱり老舗の会社が考えるので、分かりやすい商品になっちゃうんです」と白木さん。次のように説明した。
「要するに、まんじゅうに明智光秀の家紋つけて『明智まんじゅう』と言ってみたり。そういうちょっと小手先っぽい感じの商品になりがちだった」
そこで、同社と関わりのあった白木さんに白羽の矢が立ったという。社長から「ちょっと作ってみないか」と相談を受け、商品開発のプロデュースを任された。
ただ白木さんは、新商品の盛衰がドラマの放送期間に限られるのを懸念した。
「どうせ作るなら長く残る商品がいいなということで、あくまで『麒麟がくる』はひとつの起爆剤として使う。もうちょっと根本の部分から改めて考えなおしたんです」