NHK撮影班、尾瀬の木道「10分通行止め」が物議 環境省「利用者に迷惑」...広報は「声受け止める」

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   群馬県内の尾瀬国立公園内にある湿原の木道が、NHKのBS番組によって約10分間通行止めにされたと、ツイッター上で投稿があり、物議を醸している。

   ハイカーで木道が渋滞したといい、環境省は、「迷惑をかけないよう行政指導したことが守られなかった」と遺憾の意を示した。NHKは、取材に事実関係を認め、「必要な許可は得ており、意見は番組作りに生かす」といった内容の説明をした。

  • ミズバショウが見ごろだったが…(写真はイメージ)
    ミズバショウが見ごろだったが…(写真はイメージ)
  • ミズバショウが見ごろだったが…(写真はイメージ)

環境省「事前に通行止めの話はなかった」

   ミズバショウが見ごろを迎えていた2022年6月8日ごろのことだ。

   NHKのスタッフという男性が、2本の木道にまたがって、道をふさいでいる。その手で、次のように印字されたパネルを抱えていた。

「只今NHKの番組の撮影中です。10分少々お待ち下さい。お騒がせして申し訳ありませんが、ご協力の程宜しくお願い致します」

   手前には、ハイカーが待機している姿が写っており、ミズバショウの群生を前に先に進めない様子だ。

   この写真は、9日にツイッターで投稿された。投稿者は、足止めされてハイカーの渋滞ができたとして、NHKに苦言を呈した。NHK側は、BSプレミアム番組のロケ中だと説明していたという。

   その後のツイートによると、先頭にいたハイカーたちは、NHKの撮影班に問い詰め、列の後方からは、「バスの時間があるので、早く通してほしい」という内容で怒りの声が上がっていたという。

   NHKはどこかから許可を受けて、木道を通行止めにしたのだろうか。

   国立公園を管轄する環境省の関東地方環境事務所は10日、J-CASTニュースの取材に対し、NHKから事前に通行止めの話はなかったとして、国立公園課が次のように説明した。

「NHKからは、湿原でドローンによる撮影を数日間したいとの相談はありました。テレビの撮影やドローンを飛ばすことについては、自然公園法に基づく規制はありません。しかし、ハイカーなどの迷惑にならないようにと行政指導はしており、通行止めにしたとすれば、その指導が守られなかったことになります」

「スペースに限りがあり、安全などに配慮して協力を求めた」

   今回のことを受けて、NHKに対し、どのように対応するかは決めていないとしたが、今後NHKから撮影の相談があれば指導したいとしている。

「木道については、気象災害による危険があるときや自然保護の必要が出てきたときなどに、環境省などの設置者が通行止めにすることはあります。しかし、木道の利用者が多いエリアで、今はミズバショウの時期でもあり、木道を通行止めにすることはあまりないと思います。木道利用者に迷惑がかかりますので、NHKから通行止めを相談されたら、それはしないで通行を確保してほしいと伝えていたと思います」

   木道を通行止めにしたことについて、NHKの広報局は6月10日、取材に次のようにメールで回答した。

「お尋ねの取材は、6月19日(日)BSプレミアムで放送予定の初夏の尾瀬をテーマにした番組に向けた撮影で、必要な許可を得て行っていました。ただ、スペースに限りがあることから、安全などに配慮し、訪れた方々にご協力を求めることがありました。不快に思われた方々の声を受け止め、今後の番組づくりにいかして参ります」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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