立憲民主党の泉健太代表が2022年6月10日の定例会見で、日本維新の会に対して、「あまりに『浦島太郎か』と言いたくなる状況」だと批判した。維新側が立憲に対して「反対ばかり」といった批判を強める中、今国会の政府提出法案(閣法)の成立率が100%になる見通しになったことを受けての発言だ。
核共有をめぐる議論についても、泉氏は、維新が「1周~2周遅れている」と主張。立憲批判を続ける松井一郎代表(大阪市長)が国会に議席を持っていないことを念頭に「早く国政の安全保障の議論を収集していただいて、追いついていただく必要があると思う」と皮肉った。
「公党の代表が『批判ばかりだ、反対ばかりだ』と、各地でフェイクを流し続ける」
自民・立憲の両国対委員長は6月9日、こども家庭庁を新設する関連法案について14日の参院内閣委員会で採決することで合意。法案は15日の参院本会議で成立する見通しで、成立すれば今国会の閣法の成立率は100%になる。このことへの所感を問われた泉氏は、「維新さんには強く抗議したいと思う」と応じ、理由を次のように述べた。
「公党の代表が『批判ばかりだ、反対ばかりだ』と、各地でフェイクを流し続ける、まさに維新さんの見識が問われるんじゃないですかね?閣法の成立率100%、立憲民主党が賛成したものも多数あると思う。本当に国会におられないから知らないのか、先ほどの松井市長も含めて、あまりに『浦島太郎か』と言いたくなる状況」
「先ほどの松井市長」とは、この少し前のやり取りでも松井氏への批判が出たことを指している。
松井氏は6月9日、「核共有」の認識をめぐって、記者団に対して「泉さんは、まさに昭和の時代で時計の針が止まっていると思う」と発言。泉氏はこれを受ける形で、
「是非、今、国政で行われている安全保障の議論というものに、早く追いついていただく必要があるというのを、今の話からも実感した」
と、やり返した。自民党の安全保障調査会では、3月の時点で核共有は日本になじまないとする議論が大勢を占めていたことを念頭に、維新の認識を批判した。
「自民党がようやく立憲民主党に追いついたと認識しているし、我が国の政権与党である自民党においても、ある意味バッサリと否定された核共有を今から始められるのが維新だとすれば、やはり1周~2周遅れておられて、まさにちょっと...、昭和よりも古いのかもしれない『力と力の』という思考に立っておられるのかなぁ(と思う)」