愛知県新城市内のJR飯田線・三河槙原駅で、ホームに留め置かれていた213系の車両から計器類や一部の方向幕が盗まれているのではないかと、ツイッターで写真が投稿された。
JR東海では、「捜査中ですので、何かは明らかにできないものの、盗難があったのは事実」と取材に認めた。県警の新城署では、JRから被害届を受理したと答え、窃盗事件とみて捜査していることを明らかにした。
巨岩の崩落事故で不通になり、運転見合わせの列車がホームに
JR飯田線では、2022年5月31日夜、新城市内の三河槙原―湯谷温泉両駅間の線路上に約13メートルにわたって巨大な岩石が散乱しているのを点検中のJR社員が見つけ、飯田線は、この区間を含む本長篠ー東栄両駅間が不通になった。
6月9日現在もその状態が続いており、両駅間は代行バスが走っている。JRによる7日の発表では、運転再開は同月下旬になる見込みだ。
一部不通を受けて、運転見合わせになった213系の2両列車が三河槙原駅に留め置かれていることが、鉄道ファンの間で知られるようになった。国鉄の流れを汲む人気のこの列車を撮影しに来るファンも多いらしく、ツイッターには写真がいくつか投稿されている。
ところが、7日になって、行き先や列車の種類などを表示する車体上部の方向幕が車両1両でなくなっていると、ツイッターで写真が投稿された。もう1両については、「普通」と列車の種類が表示された方向幕があった。また、方向幕がない1両目で、メーターなどの計器類を備えた表示機のパネルが運転台の上からなくなっているのを写した写真も、同時に投稿された。
これらの投稿は、鉄道ファンらの間で大きな話題になり、投稿者は、計器類などは何者かに盗まれたのか、JRが盗難防止のためにわざと外したのか、分からないとツイッターで説明した。ただ、鉄道ファンによるとは限らないが、何らかの目的で盗まれた可能性があるため、JRに通報したことを明らかにした。JRからは、調査すると回答があったという。
愛知県警の新城署は、JRの被害届を受理し、窃盗事件で捜査
今回の件について、投稿者は6月9日、J-CASTニュースの取材に対し、7日の17時20分ごろに213系を撮影するために駅に入り、ホーム上で撮影したところ、計器類などが不自然に外れているのを見つけたと明かした。
「乗務員室のドアはチェーンで巻かれていました。どうやって侵入したかは不明ですが非常ドアコックを操作し扉を開けたり列車の窓から入れると思います。わかる範囲で盗まれたのは、方向幕2つほどと運転席の計器類です。車両に詳しくなければ方向幕や計器類は外すことはできないと思います」
留め置かれている213系で盗難があったかについて、JR東海の広報部は9日、次のように取材に答えた。
「列車で盗難があったのは、事実です。何が盗まれたかなど詳細については、新城署が捜査中ですし、模倣犯もありえますので、回答は控えさせて下さい」
新城署の副署長は同日、JR東海から近日中に被害届の提出を受け、受理したうえで窃盗事件とみて捜査していると取材に答えた。何が盗まれたのかなどについては、「捜査中ですので、申し上げる段階ではありません」と話した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)