北朝鮮が日本海に向けて相次いでミサイルを発射し、近く7回目の核実験を行うとの観測も浮上するなか、「一連の重要問題を討議、決定」するための会議が2022年6月8日に始まった。
この会議の議題を決めるための会議は、金正恩総書記の出席なしで開かれた。これは北朝鮮では異例のことで、事前会議を「金正恩の『影』『分身』と呼ばれる最側近」が仕切る役割分担が行われたとの見方も出ている。
司会を務めたのは「金正恩の『影』『分身』と呼ばれる最側近」
北朝鮮の国営メディアは5月12日に
「一連の重要問題を討議、決定するために、6月の上旬に党中央委員会第8期第5回総会を招集することを決定した」
と報じており、この「第5回総会」が6月8日に開幕した。正恩氏が欠席したのは、この「第5回総会」に提出する議案を決めるために7日に開かれた「第9回政治局会議」だ。配信された会議の写真に正恩氏の姿はなく、国営メディアは
「朝鮮労働党中央委員会政治局の委任によって、朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員会委員である党中央委員会の趙甬元(チョ・ヨンウォン)組織書記が会議を司会した」
と報じている。韓国の聯合ニュースによると、「労働党総書記である金正恩委員長が政治局会議に参加しなかったのも異例だが、金委員長に代わって他の人が政治局会議の司会をしたのも今回が初めて」だという。
21年1月の党大会で党規約が改正され、正恩氏以外の政治局常務委員が政治局会議を開けるようになった。改正された内容が初めて適用されたとみられる。趙氏は政治局常務委員も務めており、聯合ニュースによると「金正恩の『影』『分身』と呼ばれる最側近」。「第5回総会」を前に、趙氏が「最終的な実務点検」を担う形で役割分担したとの見方を伝えている。