「目立った成績の選手いない」から? 中田翔、不振でも球宴ファン投票「セ一塁手部門1位」の理由

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   日本野球機構は2022年6月8日、7月下旬に開催される球宴ファン投票の中間結果を発表し、セ・リーグ一塁手部門で巨人・中田翔がトップに浮上した。前日まで広島のマクブルームに次ぐ2位だったが、8日の発表で5万8094票を集め、248票差でトップに立った。

   中田は開幕スタメンを飾ったが打撃の状態が上がらず、41試合出場で打率.215、5本塁打、20打点。今月6日に今季2度目の登録抹消となり、ファームで汗を流している。成績だけを見れば、ファン投票のトップに立つのは不自然に感じる。なぜ、票を集めたのだろうか。

  • 中田翔(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
    中田翔(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
  • 中田翔(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

「復活に向けて必死に取り組んでいる姿も好感を呼んだのでしょう」

   スポーツ紙記者は分析する。

「二塁はDeNA・牧秀悟、ヤクルト・山田哲人、三塁はヤクルト・村上宗隆、巨人・岡本和真とハイレベルな選手がそろう中、レギュラーに助っ人外国人が多い一塁は目立った成績を残している選手がいない。あとは中田の復活を期待して票を入れた野球ファンも多いのではないでしょうか。アンチも少なくないですが、中田は昔のパ・リーグの豪快な気質を継承した選手でファンの人気が根強い。昨オフは20キロ増量して肉体改造するなど、復活に向けて必死に取り組んでいる姿も好感を呼んだのでしょう」

   確かに、一塁を守る助っ人選手たちの調子が上がってこないことが、今回の中間発表に大きく影響している。ヤクルト・オスナは打率.230、5本塁打、22打点、 阪神・マルテは打率.197、1本塁打、3打点。日本で打撃タイトル獲得の実績があるビシエドは打率.271、7本塁打、26打点、DeNA・ソトも打率.253、4本塁打、19打点とインパクトのある成績を残していない。広島の新外国人・マクブルームは打率.272、6本塁打、31打点。豪快に振り回す長距離砲ではなく、選球眼にも優れた中距離打者の打撃スタイルなので派手さはない。

   球宴の出場対象選手は原則として5月末までに支配下登録されている選手で、打者は10試合以上、もしくは20打席以上出場とされているため、中田の球宴出場は支障がない。

「ファン投票で選ばれて出場辞退した場合は、いかなる理由でも後半戦最初の10試合は出場停止となる規定がある。中田本人はこの成績なので球宴出場に対して複雑な思いがあるかもしれませんが...」(スポーツ紙デスク)

   最終結果発表は7月6日。中田はこのままファン投票のトップで選出されるだろうか。(中町顕吾)

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