俳優の竜星涼さん(29)がNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で演じている役柄について、映画「男はつらいよ」シリーズの主人公「寅さん」こと車寅次郎との類似性を指摘する声が視聴者から上がった。
ドラマで竜星さんは主人公・比嘉暢子(黒島結菜さん=25)の兄・賢秀役で出演。2022年6月6日の放送では暢子が勤務するレストラン付近の路上で「紅茶豆腐」なる商品の叩き売りをしていたほか、7日放送のラストでは暢子の勤務先に商品を勧めるなど、物語の攪乱要員のようなキャラクターで登場し続けている。
「賢秀ニーニー、完全に寅さんやん」
「男はつらいよ」で、俳優やコメディアンとして活躍した故・渥美清さんが演じた寅さんは、各地を放浪しながら人々との交流を深めていくが、シリーズ中でたびたび商品の叩き売りを行うシーンがあった。売り物は人相や手相に関する易本(占い本)をはじめ、正月の縁起物などが多かった。
一方「ちむどんどん」の賢秀は、当初これといった仕事についていなかったものの、一念発起して上京した直後にプロボクサーとしてデビュー。それが務まらないと知るや、今度は養豚場に勤務する姿が描かれた。6日の放送からは「紅茶豆腐」の路上販売員として、道行く人に商品を勧める様子が描かれている。
路上販売では「こちらが今、花の都パリ、ロンドン、ニューヨークでも大評判の紅茶豆腐」といった口上に始まり、小気味良い身振りを交えつつ、肥満解消や血行促進といった商品の効能を説明。叩き棒こそ使わないものの、「数量限定ですよ!」と見物客を煽る。叩き売りの様子にツイッターでは「賢秀ニーニー、完全に寅さんやん」「ちむどんどんのニーニーって、寅さんのオマージュだったのか」といった、2つの役柄の類似性を指摘する声が上がった。
「寅さんはこんなんじゃないし」
だが、視聴者からは賢秀の行動に不安を感じる声も上がった。賢秀が路上で紅茶豆腐を販売する際、真っ先に商品を購入した男はサクラ役で、かつて沖縄時代の賢秀から960ドルを持ち去った我那覇良昭(田久保宗稔さん=53)だった。我那覇の大量購入後に他の客も紅茶豆腐を買い漁る様子が描かれ、場面が変わって賢秀と我那覇が路上販売の売り上げを数えるシーンも。賢秀はかつて自分から金を騙し取った我那覇と手を組み、紅茶豆腐を販売していたのだ。
こうした賢秀の様子に対し、視聴者からは「ニーニーを寅さんと同じだとおもわないで欲しい。寅さんはこんなんじゃないし」「脚本家はニーニーを『寅さん』みたいにしたいのかも知れないが、何かズレてるのよね...」といった、寅さんとの違いを指摘する声が上がった。
なお、6日の放送に関しては別のシーンで、賢秀のセリフではないものの「ちむどんどん」と「男はつらいよ」との類似性を指摘する声が上がった。番組冒頭、記念撮影の合図を頼まれた暢子は「チーズ」と間違えて「バター」と叫んでしまうシーンがあった。このシーンに対し、「写真撮影で『バター』って『男はつらいよ』を意識してる?」といった1972年公開の「男はつらいよ 柴又慕情」のワンシーンを連想したとの声が。同作では寅さんが、写真撮影の際に間違えて「バター」と叫ぶシーンがあった。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)