仙台市内のJR仙台駅で若い男性が自動改札機の上に乗って何かを撮影するような様子を写した動画がツイッターに投稿され、まとめサイトも取り上げるなど騒ぎになっている。
駅員が窓口に常時いない改札で、深夜にこのような行為をしていた。JR東日本仙台支社では、取材を受けて防犯カメラで行為を確認したとして、「危険ですし損傷を与えかねないので、お止めいただきたい」と話した。
3人が改札外から話しながら現れた
グレーのパーカーを着た男性は、靴のまま自動改札機の上にまたがっている。両手にはカメラのようなものを持ち、右を向いて何かを撮影しているようにも見える。
そのまま上の方を向くと、男性は、持ったものを右手で下に落として、改札機から飛び降りた。すると、周囲から笑い声が響く。改札の窓口は、シャッターが下ろされており、駅員はいなかったとみられている。
この6秒の動画は、2022年6月4日21時48分にツイッターで投稿された。
場所は、仙台駅構内にあるJR仙石線の地下東口改札で、電光掲示板に表示された電車のダイヤから、投稿と同じころに撮影されたらしい。
この投稿は、若者による迷惑行為だとして拡散し、動画は2万回以上再生されている。
投稿者は6日、J-CASTニュースの取材に対し、自分の友達が改札機の上に乗ったとし、「やばいと思います」と認めた。改札機が壊れたり傷が付いたりしたかについては、確かめてはいないものの、「大丈夫だと思います」と答えた。
動画の内容について、JR東日本仙台支社の広報担当者は7日、取材を受けて防犯カメラを確認したところ、投稿とほぼ同時刻にこうした行為があったのを確かめたことを明らかにした。
それによると、改札機にまたがった男性を含め、知り合いとみられる3人が改札の外から話しながら現れた。
「明確な被害はないため、警察に被害届を出す予定はない」
3人は、周りを気にしている様子だった。そして、動画の男性がいきなり改札機の上に飛び乗り、動画の行為を始めた。何を手に持っていて、何をしていたかは分からなかったという。
男性は、改札の外に飛び降りた後、男性を含めて3人それぞれ改札を通って中に入っていた。この間、1分ぐらいだった。
JRで男性がまたがった改札機を調べたところ、機器類に異常はなく、傷も付いていなかった。改札機は、高価な精密機器なので、飛び乗れば壊れる可能性があったという。ただ、「明確な被害はないため、警察に被害届を出す予定はありません」と広報担当者は話した。
今回のことを受けて、JRでは、宮城県警の鉄道警察隊に情報提供し、警戒強化を依頼した。また、仙台駅でも、駅員らによるこの改札などの巡回を強化するとしている。
この改札は、窓口に駅員が常時おらず、客が駅員と話せるインターホンが設置されている。動画の行為があったときも、見回りなどの駅員はおらず、改札外の地下通路に通行人1人がいたが、男性らの行為に気づいていなかったという。
「駅では当時、こうした行為は把握しておらず、直接本人に注意できませんでした。飛び乗るような行為は危険ですし、機械に損傷を与えかねませんので、お止めいただきたいと思っています」
仙台支社では、今回と類似の行為については、これまでに把握していないという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)