2022年6月6日に行われたサッカー日本代表対ブラジル代表の国際親善試合(国立競技場)でPKを献上したシーンに対して、元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏は同日、自身の公式YouTubeチャンネルを更新し、「僕からしたら全然PKじゃないな」と持論を述べた。
日本は後半、ペナルティエリア内からFWネイマールが打ったシュートをGK権田修一がセーブするも、こぼれ球に反応したMF遠藤航がFWリシャルリソンと接触。ブラジルにPKを与え、同32分にこれを沈めたネイマールの1点が決勝点となって0-1で敗れている。
「レフェリーのミステイクだな」
「『PKじゃない!あれで負けるのは悔しい』 日本、ブラジルに敗北も"誤審"に闘莉王激怒!」と題した動画を投稿した闘莉王氏は、今回の試合について「立ち上がりで日本のヒヤッとするシーンはあったんですけど、チャンスらしいチャンスもブラジル代表の方では少なかった。日本も思ったより自分たちの時間が非常に出来た。思ってた以上にそんなに差がなかった試合なのかなと思いますね」と振り返った。
MF遠藤航がFWリシャルリソンに接触してPK判定が出たプレーについてスタッフが振り返りを求めると、闘莉王氏は「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)があれば、全然違った判定になったかもしれないですね」と答えた。PK判定が出た状況を「先に遠藤選手が入って、後ろからリシャルリソン選手が遠藤の足を蹴ってしまった」と説明した上で、「もしかして逆のファールに近いぐらいのシーンだったと思う」とし、「僕からしたら全然PKじゃないなと思いましたね」と持論を述べた。
スタッフがPKの判断の基準について質問すると、闘莉王氏は「先にリシャルリソンがボールに入って後ろから遠藤選手が足を出すような形になれば、これはPKだなと思う」と答えたが、今回の場合については「先にポジションに入っているのは遠藤選手ですよ。ボールを守っているのは遠藤選手ですよ。リシャルリソンがボールを蹴ろうとするんですけど、やっぱりそれは、遠藤選手の足がいるだけに無理なわけでね」とし、「僕からしたらですよ、レフェリーのミステイクだな」と説明した。
審判の位置については「ちょっとサイド過ぎて、もしかして角度的には見づらかったかもしれないですね」と分析した。「VARだったら多分ね、間違いなくあれはチェックされなきゃいけないシーンだったと思います」とし、「審判のこと言いたくないんですけど、俺はPKじゃないなと。ちょっと悔しいですね、あれで負けてしまうっていうのは」とコメントした。
ネイマールは「ファールじゃないのにどんどん倒れていく」
闘莉王氏は同日、自身の公式YouTube で今回のブラジル戦を生配信で解説していた。スタッフが「試合中にネイマール選手への忖度気味のジャッジに怒っていた」として見解を求めると、闘莉王氏は「スーパーな選手には間違いないと思うんですよ。どんどんファールされる。スーパーだからこそどんどんファールされる」とネイマールを評価しつつも、「ファールじゃないのにどんどん倒れていく。ファールじゃないのにどんどんファールのアピールする」とし、「メッシとクリスティアーノ・ロナウドと比べると、少し差が出るんですよね」と答えた。
「ちょっとしたファールだと横に転んだりとか、何回転したりとか、そういうところを僕から、ブラジル人から見たら、そういうところが嫌がるんですよね」と苦言を呈し、「すぐ立ってまたプレーしようとするっていう姿勢をね、さらに見せて欲しいんですよね」と求めた。
ワールドカップ(W杯)本大会で日本が入ったグループEには、スペイン、ドイツと優勝経験がある国が2つある。今後の日本代表に期待する部分について闘莉王氏は「残念なことにね、とてつもない組み合わせですごく厳しい戦いが待ってるっていうのは間違いないですし、普段の戦いじゃグループを突破できない」とコメントしつつも、「予選からしたら、本当にレベルが上がったし、だいぶチームとして機能するようになった。やっぱりこのまま成長していって、一番大事なW杯期間にもっとピークなパフォーマンスを出せるチーム状態を作ってくれることを願ってますね」と締めくくった。