日本テレビホールディングス(HD)は株主総会で、渡辺恒雄取締役(96)の再任を提案する。
同氏は2021年度に開催された取締役会をケガの療養などを理由にすべて欠席していただけに、投資家らからは体調面を懸念する声が少なくない。
「適切に遂行していただいております」
日テレHDは2022年6月29日の株主総会で、取締役9人の選任を決議する。
大久保好男会長(71)、小杉善信副会長(68)が退任し、石沢顕氏(65)が代表取締役社長に、勝栄二郎氏(71)が社外取締役に新たに就任する予定。
注目を集めたのは、読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄氏の再任だ。正式決定すれば在任期間は31年になる。
6月2日に公開した株主総会通知によれば、21年度にあった7回の取締役会すべてを欠席した。理由はケガの療養などとしており、「毎回全ての取締役会資料を事前に提供し全議案の内容を詳細に説明することでご理解いただいております」と支障はないとした。
SNSでは投資家らの間で話題となり、主に体調面から是非を巡り議論となっている。
日テレHDは株主総会通知で、再任理由を「長年にわたる新聞社、経営者・言論人としての豊富な経験に加えて、メディアと関連事業全般に関する高度な専門的知識と幅広い見識を、当社の経営に反映していただくためであります(中略)当社の取締役会においては、同氏より実効性・適正性のある提言・意見を述べていただいており、経営の監督等の職務においても適切に遂行していただいております」と説明している。
昨年度の株主総会通知を確認すると、20年度の取締役会もやはり同じ理由で7回全て欠席している。19年度は7回中3回出席していた。
昨年度の決議では、渡辺氏の再任賛成率は76%だった。最も低い大久保好男氏の74%に次ぐ数字だった。