70年続いた個人書店が「店主急逝で閉店」 告知を見た常連客が...「37万いいね」集めたその光景

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   大阪市の個人書店が店主の急逝を受けてシャッターに掲示した「閉店のお知らせ」に、客からの手紙が多数、張り重ねられているとツイッターで話題になっている。

   手紙にはそれぞれ、店への感謝がつづられている。店頭の光景を受けて「愛された本屋さん」「人と人との繋がりがこのお店にはあった」などの声が出ている。

  • ツイッターユーザー・takeru aotani(@tak_eru)さんの投稿より
    ツイッターユーザー・takeru aotani(@tak_eru)さんの投稿より
  • ツイッターユーザー・takeru aotani(@tak_eru)さんの投稿より

「ながい間お世話になりました」閉店惜しむ張り紙

   注目されているのは、河堀口(こぼれぐち)駅からほど近い高架下に店を構える「河堀口書店」だ。

   話題のきっかけとなったのは、ツイッターユーザー・takeru aotani(@tak_eru)さんによる2022年6月1日の投稿。「ネットで買えない素晴らしさがこの本屋にはあったんだろうね」と、店の外観写真を添付した。

   下ろされたシャッターには「閉店のお知らせ」という文書が。店主が3月15日に急逝したといい、閉店する旨を4月に遺族が報告している。

「お客様の皆さまには、店主の母の代から数えますと70年以上もの長きにわたりご愛顧賜りましたこと、店主と店主の母に代わりまして有り難く厚く御礼申し上げます」

   また文書の周囲には、客から寄せられた10枚の手紙がテープで留められている。筆跡も、使用されている紙もハート型や便箋などバラバラで、客層の幅広さが伺える。

   丸みを帯びた文字で絵文字をふんだんにあしらった付箋は、このような内容を伝えている。

「おかあさん 色々と本当にお世話になりました 次の本屋さん見つかるかな??本の楽しさを教えてくれてありがとうございました ゆっくり休んでネ」

   縦書きの便箋には達筆な文字で次のように書かれている。

「河堀口の本屋さん ながい間お世話になりました。百才近い母、孫、私と三代にわたり本を買いにいっていました。どんな本をたのんでもとりよせてもらいました。さみしくなりました。ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします」

「なんか泣きそうになります」

   なかにはノートの一部を用いたものも。次の2枚だ。

「小学生の時から本を買わせていただき、思い出の本屋さんでした。いつも笑顔で接して下さるおばちゃんが大好きでした。長い間、ありがとうございました」
「小さい頃から兄弟ともにお世話になりました。いつも入ると、元気なあいさつをしてくれて、『何をお探しでしょうか!!』と声をかけてくれました。この思い出がたくさんある本屋さんは一生忘れません。ありがとうございました!!」

   投稿は4万6000件のリツイートや37万1000件の「いいね」を集めるなど注目され、「愛された本屋さん。なんか泣きそうになります」「素晴らしいなー...ただの商売だけではない、人と人との繋がりがこのお店にはあったんですね...」「長い間お疲れ様でした」といった声が寄せられている。

   投稿者のaotaniさんは2日、J-CASTニュースの取材に「反響が大きくて驚いてます笑」と応じた。実際に店を利用したことはないというが、

「人同士の触れ合いから生まれるつながりがあればこそ文化は育まれていくんだろうなと感じた次第です」

と感想を述べる。反響を受けて「同じ様な気持ちを抱いている方が実は多いのかな」と感じたともいい、「本はなるべく本屋さんで購入したいなと改めて思いました」と結ぶ。

   閉店のお知らせに手紙が貼り重ねられた様子については、これまで複数のユーザーが写真を投稿している。

   投稿された写真を確認すると、少なくとも4月18日まで手紙はなく、5月頭までに1枚目の付箋が、同月末ごろまでに今と同じく10枚張られた状態になったようだ。

   詳しい経緯を聞こうと河堀口書店にも電話をしたが、「おかけになった電話番号は、現在使われておりません」の自動音声が流れるだけだった。

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