注文できない「架空商品」メニューに掲載 ドミノ・ピザ「需要調査」に客困惑、識者が指摘する改善点

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諸刃の剣となったFDT

   ドミノ・ピザの手法は、海外で「fake door test」(FDT)と呼ばれる。IT業界でよく知られており、新製品のアイデアを検証する際などに使われる。

   FDTに詳しいデータサイエンティストのTomi Mester氏はJ-CASTニュースの取材に、FDTは非常に効率的な手段で、一般的には否定的な反応はほとんど寄せられないと明かした。

   しかし「ブランドが大きいほどリスクも高まる」とし、客が騙されたと感じないようコミュニケーションの専門家を交えた設計を勧める。多くの人が望む重要な機能を偽造するのは摩擦を生みやすいとも注意を促した。

   そのほか、購入ボタンを待機リストの登録フォームに置き換え、十分な人数が集まったら製品を作ると告知する――といった術も紹介した。

   プロダクトマネージャーのClement Kao氏は、ドミノ・ピザの誤りは精巧すぎる「偽扉」だと取材に指摘する。

「ユーザーフローが非常に細かいステップを踏んでおり、客の期待値が高くなりすぎます。客はフローの後半でこの商品が存在しないことを知り、ひどく落胆することにつながった」

   Kao氏はより早い段階でテストである旨を案内すれば、客の失望感を減らせると助言する。

   ドミノ・ピザ ジャパン広報は6月1日、取材に対し「今後の商品開発の参考とさせて頂いております」と調査の狙いを明かした。「このようなお客様調査の手法は、米国で近年採用が広がっている新しいタイプの調査手法で、お客様が求める最高の商品とサービスを提供することを目的としています」と補足する。

   客の個人情報は収集しておらず、改善の意向の有無については回答がなかった。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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