購買意欲の低下&ブランド毀損に
SNS投稿を精査すると、この施策は数年前から複数の商品で行っている。22年1月ごろには、存在しない「産直ドミノ」シリーズの目撃談が複数投稿されており、3か月後に4種類の味が楽しめる「クワトロ・産直ドミノ」が発売された。味の絞り込みの参考にしたと考えられる。
ドミノ・ピザとしては調査費用を抑えられるうえ、データの精度が高く、クーポンによる販売促進にもつながるメリットがあるとみられる。
実際に体験者に話を聞くと、30代の男性は「最初に『ありがとうございます』と出るので、注文に成功していると思っていたのにカートを見ると何も入っておらず、意味がわからず何度も注文を繰り返して10分以上費やしてしまった」と振り返る。状況を理解すると苛立ちを覚え、空腹だったためなおのこと強く感じたという。
結局、競合他社で注文し、以降はドミノ・ピザを利用していないと答えた。購買意欲の低下ばかりか、ブランド毀損も招いた格好だ。男性は「吟味した上で選んだものがないというのは、こちらに選び直しの手間・時間が発生してしまうので、ユーザーのことを考えた施策ではない」と指摘する。
40代の男性も「率直に不快に感じました」と苦言を呈す。「最初から『ニーズ調査』と言われて選択していたら納得できたかもしれません」とし、改善を求めている。