宅配ピザ大手「ドミノ・ピザ ジャパン」が一部の客に実施しているインターネット調査が、消費者視点に欠けているとしてひんしゅくを買っている。
同社は需要予測のため、実際には販売していない新商品候補をそれとわからない形でメニューに紛れさせる場合がある。客が注文を決めると「ネタばらし」し、"お詫び"にクーポンを提供する。結果的に、おとり広告のように客をだます形となる。
こうした手法は「fake door test」と呼ばれ、識者は反発を招いた原因を「偽扉が精巧すぎた」と分析する。
「この商品はお客様ニーズの調査で...」
ドミノ・ピザはマーケティングリサーチの一環として、「架空商品」を定期的にウェブサイトに掲載している。
最近では、好みの味を4種類組み合わせられるピザ「お好きにクワトロ」が対象だった。J-CASTニュース記者が5月中旬、ドミノ・ピザのトップページから「配達注文」を選択し、受け取る住所、日時を指定すると約50あるメニューの中にこの商品があった。
商品の見せ方は他と同じで、紹介文、展開サイズ、価格が並ぶ。「詳しく見る」を押下すると、商品がポップアップされ「カートに入れる」「利用しない」の二択を迫られた。
前者を選ぶと、カート画面には遷移せず「プレゼント ポテトフライMケチャップ付き」と書かれたバナーが表示された。「お選びいただきありがとうございます。ご協力の感謝とご不便をおかけしたことへのお詫びとして今回のご注文限定で、即時ご利用可能なクーポンをご用意させていただきました」と説明しており、小さく「この商品はお客様ニーズの調査で、実際にはご注文いただけません」と注釈があった。
「お好きにクワトロ」はツイッターで注目を集めた。遭遇した客が体験を共有すると、1000以上リツイートされ議論を呼んだ。悪い印象はないとの受け止めがある一方、不快な調査手法だと感じる人も少なくなかったようだ。