矢野監督の選手起用にOB疑問 原口文仁を5番抜擢も「状態いいとは思えない」「内容が悪すぎる」

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   プロ野球楽天の元監督で野球解説者の田尾安志氏(68)が2022年5月29日にユーチューブチャンネルを更新し、同日にZOZOマリンスタジアムで行われたセ・パ交流戦、阪神対ロッテ戦を解説した。

  • 阪神・矢野監督(写真:アフロスポーツ)
    阪神・矢野監督(写真:アフロスポーツ)
  • 阪神・矢野監督(写真:アフロスポーツ)

無死満塁好機もランナー返せず

   試合は2回に1点を先制したロッテが3回に2点を追加。阪神は3点ビハインドの8回に1死2塁のチャンスで4番・佐藤輝明内野手(23)が、ロッテ3番手ゲレーロ投手(31)からライトスタンドに2ランを放ち1点差とした。

   主砲の一発で追い上げムードが高まる中、5番・原口文仁内野手(30)、6番・糸原健斗内野手(29)が連続三振。1点を追う9回の攻撃は、ロッテ守護神・益田直也投手(32)にきっちり抑えられ2-3で敗れた。

   田尾氏が試合の「肝」としたのは初回の攻撃だ。

   ロッテ先発ロメロ投手(31)に対して先頭・近本光司外野手(27)がライト前ヒットで出塁。2番・中野拓夢内野手(25)もレフト前ヒットで続き無死1、3塁とした。3番・大山悠輔内野手(27)の2球目に中野が盗塁を決め、大山がストレートの四球で歩かされ無死満塁のチャンスを作った。

   先制の好機に4番・佐藤はフルカウントから空振り三振。5番・原口は初球を叩きキャッチャーファウルフライ。6番・糸原はセンターフライに打ち取られ、無死満塁の好機からひとりのランナーも返すことが出来なかった。

「こういうところでなかなか打たないのが佐藤」

   田尾氏は「4番の佐藤。外野フライを打ってほしいなという場面。こういうところでなかなか打たないのが佐藤なんですが今回もそうでしたね」と振り返り、自身の経験から無死満塁から無得点に終わるパターンについて言及した。

   「ノーアウト満塁で点が入らない時のひとつの大きなポイントは最初のバッターなんですね。最初のバッターが打つか打たないか。これでだいたい決まることが多い。ここでもし点が入ると大きな点になっていくパターンが多くなる。ここで最初のバッターがアウトになるとゼロを食らう回になることもよくある」と解説した上で、「佐藤の三振は非常に大きなアウトだった」と指摘した。

   また、この日「5番・DH」で原口をスタメン起用した矢野燿大監督(53)の采配を疑問視し、その理由についても説明した。

「原口の状態が決していいとは思えない。5番に持ってくるのはいいのかなと疑問を持っておりました。この場面も初球ですね。初球を振りに行ってキャッチャーフライ。みんな引っ張りに入っている。原口のいい時は、おっつけのバッティングが出来る時。右方向に打てる時。こういうチャンスの時はやはりなかなか甘い球がこない場面が多い。初球でしたからね。初球から引っ張りに入ってキャッチャーフライ。これは内容が悪すぎる」

「タイガースの打線は確かに弱い」

   さらに「これは本当のことを言うとバッティングコーチが右中間に外野フライを狙いに行けと。そういう徹底したアドバイスをしてもいいかもしれない。どうしてもチャンスになって引っ張るバッターが多い」と指摘し、「糸原もワンストライクを取られた後、外の高めを振りに行ってセンターフライ。ノーアウト満塁があっさり無得点に終わってしまった」と語った。

   田尾氏は試合を全体的に振り返りながら「今日見ていてもタイガースの打線は確かに弱い。ガンガン打ちそうな気配が全くない」と率直な感想を述べ、「いつ見てもチャンスの時にフリーに打ちすぎて結局凡退の山を築いている」とし、得点の好機で打者が逆方向に意識を持っていく必要があるとの持論を展開した。

「チームとして相手ピッチャーから点を取るためには意識を逆方向にもっていく必要があるという気がする。ひとりひとりが出来ないのであればコーチが『きっちりと逆方向を狙っていこう。インサイド来たらしょうがないぞ』。そういう逃げ道をひとつ作ってあげながら狙い球を絞っていく。そういうことをしていかないとすべて選手にお任せというようなやり方では今日のようなゲームになってしまう」

   24日から開幕したセ・パ交流戦ではここまで3勝3敗で勝率5割をキープし、リーグ最下位脱出の足掛かりにしたい矢野阪神。31日からは本拠地・甲子園球場で西武との3連戦を予定している。

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