中日・根尾昂が投球でスタンドをどよめかせた。
2022年5月29日の交流戦・オリックス戦(京セラドーム)で8点ビハインドの8回に登板すると、先頭打者の代打・小田裕也を145キロ直球で中飛に仕留め、宗佑磨も直球で二ゴロ。代打・宜保翔に右前にはじき返されたが、4番・マッカーシーに投じた2球目の直球が大阪桐蔭時代を含めて自己最速タイの150キロを計測した。3球目のスライダーで中飛に打ち取り、1回無失点。スタンドの観客から大きな拍手が起こった。
「マウンド上でのたたずまいや球質は完全に投手」
根尾はプロ初登板を飾った21日の広島戦(マツダ)も1回1安打無失点に抑え、打席にも立つ「二刀流デビュー」を飾っている。立浪和義監督は話題作りでやっているのではなく、根尾の可能性を引き出したい思いが強いのだろう。
他球団スコアラーは根尾の投球に驚きを口にする。
「投手の練習に多くの時間を割いているわけではないのに、あれだけの球を投げられる。マウンド上でのたたずまいや球質は完全に投手ですよ。やっぱりスターだなあと思います」
根尾が登板するたびに話題になる。投手と遊撃で活躍した大阪桐蔭の時代を鮮烈に覚えている野球ファンは多い。投打の二刀流でメジャーの舞台で活躍する大谷翔平とはスケールが違うが、根尾が投手として救援で好投を続ければ、新たな「二刀流像」を作り上げられる。
ただ、本職の野手の方では微妙な立場に置かれている。攻守に試行錯誤を繰り返し、プロ4年目の今季は立浪監督の方針で遊撃ではなく、外野一本で勝負することに。だが、京田陽太が精彩を欠いて5月上旬にファーム降格したのを受け、遊撃への再コンバートを命じられる展開に。根尾にとっては遊撃でレギュラーをつかむ絶好のチャンスだった。ファームでは直球を力強く引っ張る場面が目立つようになり、打撃でも成長の跡が見えていた。
「どう育てたいか全く見えてこない」
5月10日に1軍登録。ところが、起用されているポジションは右翼だ。遊撃は途中出場の1試合しかない。与えられたポジションでアピールするしかないが、20試合出場で打率.212、0本塁打、4打点と物足りない。遊撃では三ツ俣大樹、二塁を守っていた高橋周平が8年ぶりに起用されている。根尾の遊撃の守備能力を考えると、首脳陣はまだ心許ないと判断しているのだろう。
二刀流での活躍を望む声が多い一方、中日ファンからは「根尾は何のために遊撃にコンバートしたの?どう育てたいか全く見えてこない」、「投手も野手も中途半端になっているような気がする。根尾のためになっているのかな。遊撃に専念した方がいい」など疑問の声も。
野手で輝く根尾の姿が見たい。そう感じているファンが多いのは間違いないだろう。
(中町顕吾)
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) May 29, 2022
二刀流 #根尾昂
8回を無失点に抑える??????
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最速150キロ??
オリックスの上位打線を抑えた??
?#プロ野球(2022/5/29)
??オリックス×中日
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