「『何かを隠しているのではないか』との疑念を招きかねない」
記事の公開停止について同日、武蔵野の総務担当者に取材を申し込んだ。すると、翌3日に同社の公式サイト上で「WEB等の一部記事に関する当社の見解について」という小山氏名義の文書が掲載された。
文書の冒頭で「この度の知床半島観光船海難事故について、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申しあげるとともにご遺族の方々にお悔やみ申し上げます。また、行方不明の方の一刻も早い発見と救出を、心からお祈り致します」と知床事故の遺族を追悼。そして、事故を起こした運営会社に、武蔵野がコンサルティングを行っていたことを明かした。
ダイヤモンドオンラインの記事については、記事の著作権を持つ小山氏が「現在の事故後の状況からして、元々の記事(その時点で)の真意が伝わらず、誤解を招く恐れがある」と判断し、記事の削除をダイヤモンド社に要請。しかし、「それが逆に『何かを隠しているのではないか』との疑念を招きかねないとの判断から、再公開に同意した」と説明した。
また、知床遊覧船の買収をめぐる助言の中身について、「当該記事執筆時点、あるいは私、小山の知床訪問時点では、あくまでも事業(遊覧船)引き継ぎ(買収)に当たっての総合的な経営判断の観点からのアドバイスをさせていただきました。買収に踏み切るのであれば、安全面を考慮すると、人員、桟橋、待機場所含めて買わないといけないと助言をしました」「価格を安く買うのでなく、提示された価格で買いなさいと助言をした」と説明した。
知床遊覧船では事故の前に従業員の退職が相次いでいたと報じられたが、武蔵野側は「従業員の解雇についての相談は受けておりません」とした。