「和菓子離れ」の時代にコラボ殺到 仙台銘菓・喜久福が貫く「こだわり」

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4月からは「のむ喜久福」も登場

   昨今、お菓子業界では「和菓子離れ」が叫ばれている。総務省統計局の家計調査によると、1世帯あたりの和生菓子(ようかん、饅頭、その他和生菓子)への年間支出額は、07年に1万543円だったのが、21年には8602円まで減少している。

   21年2月には「宝まんぢゅう」で知られた創業66年の宝万頭本舗(仙台市)が自己破産。22年5月16日には「相国最中」などで知られる創業74年の紀の国屋(東京都武蔵村山市)が廃業したばかりだ。(その後、スイーツ販売を手がける企業が紀の国屋の元従業員を雇い、新ブランド「匠紀の国屋」を立ち上げたことを発表している)

   和と洋の要素を混ぜ合わせ、ロングセラー商品になった喜久福。藤野さんは「古くからある商品はとっつきにくかったりする。今風にアレンジすることで、まだまだ伸びていくのでは」とし、和菓子が生き残るためには「変化が必要」だと話す。

   実際に、喜久福も「変化」を続けている。今年4月から一部店舗で販売をはじめたのは、その名も「のむ喜久福」。「お茶離れ」を機に「食べるお茶」として開発された喜久福が、再び「飲む」に戻ってきたのだ。喜久福の抹茶生クリーム味をほうふつとさせるドリンクで、「飲んだ瞬間に『喜久福!!』と感じていただけるような飲み心地を目指した」という。

「のむ喜久福」の販売ポスター。公式サイトでは「飲み心地や味わいはお客様のご想像にお任せさせていただきます」と意味深に紹介されている(お茶の井ヶ田提供)
「のむ喜久福」の販売ポスター。公式サイトでは「飲み心地や味わいはお客様のご想像にお任せさせていただきます」と意味深に紹介されている(お茶の井ヶ田提供)

   藤野さんは喜久福の将来について「『あ、それ仙台のやつでしょ』ではなくて、『それおいしいやつだよね』と言われるような、みんなが知っているお菓子になればいいなと考えています」と語る。「仙台土産」が「国民的お菓子」になる日は来るだろうか。

(J-CASTニュース記者 佐藤庄之介)

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