企業からコラボ依頼殺到も...譲れぬ「こだわり」
人気作品への露出で知名度が上昇する中、今年3月には「チロルチョコ」とコラボした「チロルチョコ<喜久福抹茶生もち大福>」、5月にはロッテのアイス「雪見だいふく」とコラボした「喜久水庵監修 雪見だいふく×喜久福」が相次いで発売された。いずれも相手企業からの熱心なアプローチにより、実現したコラボだった。
特に、雪見だいふくとの「大福コラボ」は発表後からネット上で話題に。5月17日の発売開始直後は、販売店の冷凍庫がすぐに空になるほどの売れ行きだったという。「雪見だいふく自体も多くのファンがある商品。我々は『おんぶにだっこ』のような状況ですが、地元のお客様に「喜久福が雪見だいふくになった!』と喜んでくださっているのが何よりもうれしいですね」(藤野さん)
実は2商品の他にも、コラボの依頼が各社から寄せられているという。しかし、商品化については慎重に判断している、と藤野さんは話す。
「コラボ商品は盛り上がるので面白いですが、商品イメージを植え付けてしまうところもあります。世の中には喜久福を食べたことがない方がまだまだ多いと思いますし、そういった方が、もし先にコラボ商品を召し上がって、あまり美味しくなかった場合に『じゃあ喜久福も期待できないな』となってしまうと良くない。そういった意味で、コラボは慎重に取り組んでいかなければいけないと思っています」
今回コラボしたチロルチョコは、餅風味のチョコで小倉風味ペーストと抹茶チョコ、生餅を包んでいる。雪見だいふくも、餅で抹茶アイスとこしあんを包んでいる。いずれも喜久福の「抹茶生クリーム」をイメージさせる商品だ。「喜久福の要素をきちんと体現できるようなコラボだったらやっていこう、というルールを今は定めているところです」