バイデン大統領、首脳会談は「ノーマスク」も陛下会見では着用 対応に差のワケ

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   米国のバイデン大統領は2022年5月24日夕方に専用機で米軍横田基地(東京都福生市など)を出発し、就任後初めてとなる3日間の来日日程を終えた。

   この間、岸田文雄首相との首脳会談や、日米とオーストラリア、インドの4か国(QUAD=クアッド)首脳会議に臨んだ。各国の首脳は日程の大半をマスクなしで過ごしたが、数少ない例外のひとつが5月23日に行われた天皇陛下とバイデン氏の会見だった。

  • 天皇陛下とバイデン大統領の会見は、マスクをつけたままで行われた(画像は宮内庁提供動画から)
    天皇陛下とバイデン大統領の会見は、マスクをつけたままで行われた(画像は宮内庁提供動画から)
  • 日米首脳会談はマスクなしで行われた(写真はバイデン大統領のツイッターから)
    日米首脳会談はマスクなしで行われた(写真はバイデン大統領のツイッターから)
  • 天皇陛下とバイデン大統領の会見は、マスクをつけたままで行われた(画像は宮内庁提供動画から)
  • 日米首脳会談はマスクなしで行われた(写真はバイデン大統領のツイッターから)

4か国会談、2国間会談は全部「マスクなし」

   厚生労働省は5月20日、マスク着用の考え方に関する文書を公表。「基本的な感染対策としてのマスク着用の位置づけを何ら変更するものではない」とうたっているが、事実上の緩和策に近い内容だ。屋外では

「2メートル以上を目安として他者との距離が確保できる場合」
「徒歩での通勤など、屋外で人とすれ違うことはあっても、会話はほとんど行わない場合」

はマスク着用は必要ないとしており、屋内でも

「他者との距離が確保できており、会話がほとんどない場合」

は着用不要とした。ただ、「会話を行う場合は、着用を推奨」するとした。

   この方針は各国首脳の接遇にも反映されたとみられ、岸田氏は5月23日午前、東京・元赤坂の迎賓館でバイデン氏をマスクなしで出迎え、そのまま首脳会談に臨んだ。その後の記者会見もマスクなしだった。翌24日午前の、日米にオーストラリアのアルバニージー首相、インドのモディ首相を交えた首脳会談でもマスクなしだった。日米以外の2国間(バイ)首脳会談(日豪、日印、米豪、米印、印豪)も同様だ。

   数少ない例外のひとつが、23日朝に行われた天皇陛下とバイデン氏の会見だ。宮内庁が公開した約5分間の映像では、御所の車寄せに到着したバイデン氏を天皇陛下が出迎える場面で始まり、会見の様子、その後の見送りの場面が収められている。そのすべての場面で、2人はマスクをつけたままだった。

   23日午後に行われた北朝鮮による拉致被害者家族との面会には、岸田氏も同席。バイデン氏、岸田氏、拉致被害者家族の全員がマスクをつけていた。

松野官房長官「座席の配置や動線等を工夫してソーシャルディスタンスを確保」

   松野博一官房長官は23日午後の記者会見で、一連の行事でのマスク着用の基準を問われ、次のように答弁している。

「今般の日米首脳会談では会談の参加者のコロナ陰性を事前に確認するよう求めたほか、各行事の出席者を必要最小限に抑えるとともに座席の配置や動線等を工夫してソーシャルディスタンスを確保するなどの措置を講じて実施した。これらの措置を総合的に勘案し、ご指摘の行事(日米首脳会談)では両首脳のマスク着用は不要と判断したところだ」

   天皇陛下が国家元首と会見するのは、天皇陛下が公務を行う皇居・宮殿が会場になることが多く、19年5月にトランプ大統領(当時)夫妻が来日した際は、宮殿の「竹の間」で行われた。今回の会見は両陛下のお住まいにあたる御所の「小広間」で行われた。拉致被害者家族との面会は、首脳会談に比べて参加者が多く、参加者間の距離も近かった。こういった環境の違いがマスク着用に影響した可能性もありそうだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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