「2ヶ月間車に乗れず、帰ってきて見てみたら、鳥が出てきた」−−。
車のエンジンルームに、鳥の巣が作られていたと明かすツイートが注目を集めている。ボンネット部分の空気取入れ口から出ていく鳥の姿を目撃し、気づいたという。詳しい経緯を聞いた。
「こんなことってあるぅぅ!?!?」
話題となっているのは、北海道在住のツイッターユーザー・鈴木尊え(@tkykszk_36)さんによる2022年5月21日夜の投稿だ。「こんなことってあるぅぅ!?!?」と驚きながら、エンジンルームに巣作りされていたと明かした。
所有しているのはスバル車のステーションワゴン「LEVORG(レヴォーグ)」。同モデルはボンネットの中央に、機器を冷却するための空気取入れ口としてエアインテークと呼ばれる横長の穴が設けられている。ここから鳥が出るのを目撃したという。
投稿の添付画像では、ボンネットを開けてエンジンルームを写している。一段窪んだ部分に大量の枝が集められた様子が確認できる。
鈴木さんは「暗くて確認出来なかったけど、ヒナちゃんいたら困るので、市役所に連絡してみたいと思います」といい、「スバル乗りの方気をつけて下さい笑」と呼びかけた。
翌22日昼には「SUBARUの方々」の協力を得て、巣は自然に返すことになったと経過をツイート。巣には数匹のヒナがいたとし、「親子共に元気で生きていけますように」などと結んだ。
23日の取材によると鈴木さんは、当初に連絡した市役所で、前例がないため対応が困難である旨を伝えられたという。なお鈴木さん自身も、車に巣作りされるのは初めての経験だった。
次いでディーラーに状況を報告したとする。その際には「車に支障をもたらすことがない場所であり、車を動かしても、鳥の巣やヒナへの影響はそこまで考えられない場所」だと説明され、車で店舗に向かうことに。
店舗の担当者らが、市役所および動物病院に問い合わせたところ、「家の近くの木に返すのが一番良い」と指南を受けたという。
その後は一時的に巣とヒナを箱に移し、車を点検したのち、自宅へ戻って近くの木に巣を移した。
ただし鈴木さんは、人為的に解決した今回の処置を振り返り、少なからず親鳥やヒナの成長に支障をもたらしたと懸念していた。「今思えば、正しかったかどうかはわかりません」とこぼす。
メーカーは取り扱い説明書で小動物侵入を注意喚起
発端の投稿は8800件以上のリツイートや1万9000件超の「いいね」を集めるなど注目され、「こんなことあるの!自分も気をつけよw」「驚いたけど円満解決でよかった」「この方も、SUBARUの方も市役所の方も、みんなの優しさに包まれた雛たち」などの声が寄せられている。
投稿が話題となったことで、鈴木さんは次のようにも危惧していた。
「今回このような事があって、だったらLEVORGを購入しないですとか、スバルさんの車を購入しないって言う方がいたら正直嫌だなって思います」
そのうえで、「19歳の時からLEVORGがかっこいいと思って、20歳で購入致しました。今でも1番最高の車だと思っております。乗り心地も良く、購入してから後悔した事は一度もありません」と思いを伝え、次のように呼びかけた。
「今回のことは本当に稀だと思うので、皆様にもスバルさんの車の良さが伝われば嬉しいです」
ツイッターではスバル社の対応について、「大変親切にご対応して頂きました。ありがとうございました」と謝意を述べている。
スバル社の広報は24日、J-CASTニュースの取材に対し、今回の投稿に関しての受け止めや類似案件の発生状況などについて、回答を控えた。
当該箇所への小動物侵入をめぐっては、「オーナーズマニュアル(車両取り扱い説明書)に、以下の通りの記載を行い、注意喚起をしています」とし、記載内容は次のように述べる。
「エンジンルーム内および車体床下に、ねこやねずみなどの小動物がいないことを確認してください。エンジン始動時に、ファンやベルトに小動物が巻き込まれ、車体に損傷を与えることがあります」