首位争いで交流戦突入の巨人 気がかりな左翼・ウォーカーの「拙守」

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   巨人が28勝21敗、貯金7で交流戦を迎える。首位・ヤクルトに1ゲーム差の2位と2年ぶりのV奪回に向けて好位置につけているが、楽観視はできない。

   大きな問題は守備だ。昨季はリーグ最少の45失策だったが、今季は49試合でリーグワーストの37失策。数字に表れないミスも露見される。

  • 巨人の原辰徳監督
    巨人の原辰徳監督
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思い出す23年前の「マルティネス左翼起用」

   中でも首脳陣の頭を悩ませるのが、左翼のアダム・ウォーカー、右翼のグレゴリー・ボランコの守備だ。肩が弱く動きが緩慢なため、対戦球団の選手たちは両翼に打球が飛ぶと次の塁を積極的に狙う。

   特に、ウォーカーの守備についてスポーツ紙デスクは「ウォーカーは米国で守備を本格的に練習してないのか、シートノックを見てもカットに入る内野にきっちりボールを投げる精度が低い。肩が弱い上に捕ってから遅いので、浅い外野フライでもタッチアップされる。投手にとってみればたまったものではない。ただ、ウォーカーが悪いとも責められない。首脳陣は打力を買って起用しているので外野守備に目をつむっている。今から劇的にうまくなる可能性は低いので、どこまで我慢して起用するかですね」と語る。

   ウォーカーは決して守備を軽視しているわけではない。一生懸命にやっているのは見ているこちらにも伝わってくるが、外野での守備経験が浅いのか状況判断で一歩遅れてしまう。失策は1つのみだが、普通の左翼手なら取れる打球に追いつけなかったり、負担がかかった遊撃が深追いして捕球できないケースが見られる。

   交流戦前はパ・リーグ球団の主催試合で指名打者(DH)制が採用されるが、セ・リーグ球団の主催試合はDHなしで戦う。公式戦で普段は対戦しないパ・リーグの球団も当然研究している。ウォーカーに打球が飛んだら次の塁を果敢に狙わせるだろう。

   打力を優先したチーム作りで思い浮かぶのは、長嶋茂雄氏(現巨人終身名誉監督)が采配を振るった99年の巨人だ。清原和博、石井浩郎、同年に途中加入したドミンゴ・マルティネスと本職が一塁の選手が3人いたため、攻撃重視の陣容でマルティネスを左翼で起用している。この年はリーグ2位の618得点を叩き出したが、リーグ優勝を飾ったのは攻守でバランスが整っていた星野仙一監督率いる中日だった。

   交流戦はパ・リーグの好投手を相手に得点が取れないことも予想される。守備のミスが勝敗を分ける展開が予想される中、ウォーカーの起用法が注目される。(中町顕吾)

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