切断した手に「雷に打たれたような激痛も」 10年経っても消えぬ「幻肢痛」、当事者語る辛さ

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伝えるのも難しい、理解することも難しい

   僕が出会ってきた人の中には、幻肢痛がないという人もいました。話を聞いていると、痛みはあるけどそんなに苦労していなさそうだなと思う人もいました。同じように手足を切断しても、感じ方は人によって違うようです。

   この感覚や痛みを皆さんに分かってもらうのは難しいかもしれません。説明しても「何言ってるんだろう?」と疑問に思うかもしれない。

   ある朝、会社に行くためにいつも通り義足を履こうとしたけど、激しい幻肢痛が来て履けなかったことがありました。会社に連絡して出社時間をずらしてもらいました。僕は会社に理解してもらえているけど、理解が得られなくて苦労している方もたくさんいるんじゃないかと思います。

   幻肢痛というものがあることを多くの人に知ってもらえたらいいですね。たとえば骨折や発熱の場合などは、人に伝えやすいです。でも、幻肢痛は「幻」と書くくらいなので、見た目にも分からないし、言葉で伝えるのも難しく、受け手が理解することも難しい。「手が痺れるんです」と伝えても「手ないじゃん」と言われたら、実際そうですし、なかなか説明しづらい。

   どう伝えていくのが正解かは分からないけど、緊急時だけでなく日頃から、自分のことを理解してもらうコミュニケーションが大切ではないかと思います。インターネットなどを通じ、切断と幻肢痛を経験した当事者の発信は増えてきているはずなので、「そういう痛みが存在するんだ」と理解が広まっていくといいなと思います。

(構成:J-CASTニュース編集部 青木正典)

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