「取り締まり強化と同時に啓発も、ということかもしれません」
鉄道ライターの枝久保達也さんは取材に対し「当該広告は特定の路線や乗客の行為を意図したものではないにせよ、広告掲出時期は年度替わりとも重なるので、新年度から新しく鉄道を使う層に正しい乗り方を求めたものと思われます」と広告の背景を推測する。
「ICカードが導入された駅でも不正乗車が常態化していて、(香椎線での実験のように)具体的な動きもあるようなので、取り締まりを強化するのと同時に啓発もしていこうということなのかもしれません」とも話す。
JR九州のみならずコスト削減のための駅の無人化は全国の鉄道各社で進む。不正乗車対策としては駅や車内での抜き打ち改札も行われているが、これには人件費がかかるため、検札などで徴収できる運賃が対策に見合うかという経営上の問題が発生するという。
「不正乗車による逸失利益と、対策のどちらの方が経営にマイナスかという話で、大抵は大掛かりな対策を打つ方がお金がかかるという結論になりがちです。ただ、これは正当な利用者に不満を抱かせ、モラルハザードを招きます」(枝久保さん)
香椎線での実証実験のような新しいシステムで不正乗車防止に取り組むとともに、親子の会話で伝えるマナー広告で利用者のモラルに訴えて、正しく鉄道を利用してもらいたいという狙いがあるのかもしれない。
(J-CASTニュース編集部 大宮 高史)