水木しげる「劇画ヒットラー」再注目のなぜ ウクライナ危機が影響?記念館に起きた変化

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ヒトラーを「一人の変わり者」として描いた

   水木プロダクション取締役の尚子さんも22年5月13日にこの現象をツイッターで、「意外にも今、水木しげるの『劇画ヒットラー』が売れてるそうです。連日のウクライナ侵攻のニュースで『独裁者』とか『ネオナチ』などのキーワードに引っかかるらしく...。水木の描くヒットラーは『冷酷で残忍な独裁者』ではありません。時代に飲み込まれた一人の変わり者として描かれてるんです」

   と発信している。原口さんにも父・水木さんが本作で描いたヒトラー像を聞いた。

「多くの人が創作の中でヒットラーを描いていると思いますが、水木は彼を独裁者や残忍な人間ではなく、1人の人間として描いていました。ヒットラーの生涯を調べていくうちに、一個人としては人間的に面白い存在と思っていたようです」

   青年時代にウイーンで芸術家を目指して挫折し、放蕩生活を送っていた時期のヒトラーには水木さんも共感するところがあったのではと原口さんは話す。「ヒットラーは『面白い奴なんだよな』と水木は話していました。水木自身も学校や社会になじめる性格ではなかったので、似ているところもあると感じていたのかもしれません」

   原口さんも本作でヒトラーのことを知り、作中のヒトラー像をすんなり受け入れたという。ヨーロッパで引き起こされた戦火からマンガを通じて、83年前に世界大戦の引き金を引いた独裁者への関心が増しているようだ。

(J-CASTニュース編集部 大宮 高史)

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