2022年度前期のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に対し、ヒロインの家族をめぐって「金銭感覚がおかしい」と指摘する声がインターネットで上がっている。
ドラマは沖縄に住むヒロイン・比嘉暢子(黒島結菜さん=25)が上京し、料理人を目指すというストーリー。2022年5月13日の放送では、暢子が劇中の1972年5月15日(沖縄本土復帰の日)に東京へ1人旅立つ場面で終了した。これまでは沖縄を舞台に実家で生活してきたが、その実家・比嘉家の人々のお金にまつわるシーンが数々描かれてきた。
長男・賢秀の放蕩ぶり
ヒロインの実家・比嘉家は母・優子(仲間由紀恵さん=42)に長男・賢秀(竜星涼さん=29)、長女・良子(川口春奈さん=27)、次女・暢子、三女・歌子(上白石萌歌さん=22)の5人家族。第2週(同週まではヒロインの幼少期を描くため子役編)となる第6回に父・賢三(大森南朋さん=50)の死去後、一家は住居や家業のサトウキビ畑の購入の際に作った借金に苦しめられる生活を続けざるを得ず、一時は暢子を親戚に預けるという話まで持ち上がった。
その子役編が終わり黒島さんらが出演する第3週以降、長男の賢秀の放蕩ぶりが目立つようになった。働きもせず、日々ぐうたらと過ごす賢秀は第19回で、怪しい投資話に借金をしてまで大金をつぎ込み、その結果、全額を持ち去られてしまった。その「ダメ男」ぶりは放送回が進むごとに加速。情けない姿に対しては、「賢秀ヤバ過ぎだろう...。コイツのせいで、借金地獄じゃん」といった声がツイッターに上がるなど、視聴者からの目線は厳しい。しかし、賢秀の放蕩ぶりを「増長」させているとも言える存在がいた。母・優子である。
長男を甘やかす母
第21回では賢秀が、投資話にだまされてお金を持ち去られたショックから、今度はハンバーガー店で大立ち回り。高校で歌子を指導する音楽教師・下地響子(片桐はいりさん=59)を巻き込んでしまうが、下地先生が賢秀に謝罪を要求すべく比嘉家を訪れた際に優子は、うずくまって身を隠す賢秀に風呂敷をかけて「隠蔽」を図った。
さらには、賢秀が引っ掛かった詐欺につぎ込んだ金は、優子が賢秀に依頼されて親戚から借りた新たなお金だったなど、徹底した甘やかしぶりだった。視聴者からは、「この息子と甘やかす母 もう目を覚まして!!って朝からモヤモヤが積もります」といった声が上がってしまった。
ヒロイン本人については第20回で、料理部として出場したコンテストで優勝した際に、「東京に行って、料理人になりたい! コックさんになりたい! やりたいこと、見つかりました!」と東京行きを宣言。だが前述した賢秀の詐欺被害により、いったん暢子の東京行きが潰えたかに見えると、第23回では借金に苦しむ家計を顧みず、「社会人になる前に、春休み、東京に遊びに行きたい」とねだり、これを否定されるとむくれる姿も。視聴者からは「今日の暢子のいきなり"東京に旅行行きたい駄々こね"...なかなかの鋼メンタル」といった声もあった。
長女も借金
第23回と第24回では新たな借金エピソードが描かれた。教師という安定した職業に就き、毎月の給料のほとんどを家に入れるなど「一家の優等生」とでも言える振る舞いを見せていた長女・良子が、親戚への借金の一部返済と、暢子の東京旅行の費用の捻出という目的で職場からお金を借りてしまったのだ。
幸い第24回で、東京に行った賢秀がプロボクサーになり、大金を実家に仕送りしたことで、比嘉家は親戚に対する借金については片を付けることが出来た。そのため、職場への借金は全く使わずに済んだ。しかし、なぜか良子は「あのお金はとっておく。いつか、家族のために役立つ日が来ると思うから」と、すぐには返さないことを明らかに。このため、視聴者からは「いや良子、とりあえず学校に返したら?(借金だよそれ)」といったツッコミが入ってしまった。
......という具合に、どうにもお金絡みのツッコミどころが満載の比嘉家。一応、三女の歌子に関しては金銭面でのだらしなさなど「ダメエピソード」は出ていないものの、視聴者からは、
「やはり比嘉家は他の家と金銭感覚ズレてるのね」
「主人公の一家まるごと、不思議な人たちになってしまう朝ドラは初めて」
「比嘉家全員が金銭感覚がおかしいというか、家計への危機感が皆無なのが甚だ疑問です」
といった声が上がってしまっている。
とはいえ、前述のとおり賢秀のお金で親戚からの借金を返済し、東京行きの資金を自前で用意した上で、13日の第25回で暢子は晴れて東京へと旅立った。お金問題が一応の解決を見せた上での新章突入となり、「借金がなくなったと思ったら安心して見られるようになった。ワクワクする音楽で東京編が楽しみになった」といった期待の声も上がっている。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)