プロ野球で3度の三冠王を獲得し、中日監督としては4度のリーグ優勝を果たした落合博満氏が2022年5月11日にYouTube「オレ流チャンネル」を更新し、中日監督時代の舞台裏を語っている。
「勝つことが仕事、優勝することが仕事」
落合氏は2004年から2011年まで8年間中日で指揮を執り、リーグ優勝4回と日本一1回を達成している。
動画内で監督にとって一番大切なこととして開口一番「勝つことがだよ。勝つことが仕事、優勝することが仕事」とバッサリ。監督時代の仕事としてチームの風通しをよくすることに最も気をつけていたという落合氏は、「いろんな不穏な動きもあるだろうし、それを一切無くすことだね。やればやっただけの評価を受けるっていうこと。好き嫌いをなくすっていうこと」という風土をチームにもたらしたと振り返っている。
落合政権では監督・コーチと選手があまり交わらない印象があったが、という質問には「それは一切『一緒に飯は食うな』って言ったよ」とコーチと選手の会食を禁じていたことを明かした。その理由は
「派閥をつくっちゃう。AとBって選手がいて、Aは80の力を持ってる。Bは60の力しかない。でもBがコーチに好かれてると『いや、こっち使いましょう』ってことが起きちゃう」
と話し、チーム内の不和発生を防ぐためだったと明かしている。しかし、自身の現役時代は監督やコーチと食事の場で「野球の話をずっとしてるわけだから、いい勉強になった」と振り返っている。「ホテルの宴会場で飯を食う分には選手とコーチが一緒になっても構わないけど」と、禁じていたのはあくまで私的な場での会食であったとのことだ。
「中日の野球ってのはすべて接戦にしちゃうんだよ」
中日監督の8年間で4度のリーグ優勝を果たした落合氏だが、長いシーズンでは「捨てゲーム」もあったと告白。なかには他の球団に打ち込まれている投手が中日戦だけ抑えてしまうゲームもあり、「中日の野球ってのはすべて接戦にしちゃうんだよ。どんなエース級が来ても。一方的な勝ち方ってのはなかなかできなくて、それがよそのチームとの違いだったわ」と監督時代の中日の戦いぶりなども述懐している。