プロ野球広島、ロッテ、阪神でプレーした野球解説者の高橋慶彦氏(65)が2022年5月10日にユーチューブチャンネルを更新し、大リーグ・カブスの鈴木誠也外野手(27)のバッティングを分析した。
下半身のタイミングにズレ
動画は「誠也復活のカギ」などのタイトルで公開され、高橋氏が大リーグと日本の投手の違いを解説しながら現役時代の経験を踏まえてカープの後輩でもある鈴木にアドバイスを送った。
今季大リーグに移籍した鈴木は開幕から好調をキープし、4月は打率.279、4本塁打、14打点をマーク。ナ・リーグ月間最優秀新人に選出され順調な滑り出しを見せたが、5月に入ってから打撃が下降線をたどり、本塁打は4月17日のロッキーズ戦以来出ていない。
高橋氏は大リーグの投手は日本の投手に比べて投球の際テイクバックが小さいことを指摘し、これにより下半身のタイミングにズレが生じていると説明した。
高橋氏は「メジャーのピッチャーは後ろ(テイクバック)がないんでどうしても『いち・に』で来る。誠也選手は足を上げているから『いち・にの』で行きたいんだけど『いち・に』で足が付いてしまう」と指摘し、「足を上げても下(下半身)でタイミングを取らない限り上(上半身)が付いてこない。下がついて行ってないわけ、タイミングに対して。遅れてるわけよ」と分析した。
「足を上げて着くというイメージが強すぎる」
現役時代、鈴木と同じように足を上げてタイミングを取っていたという高橋氏。自身の経験を踏まえた上で「誠也選手は足を上げて着くというイメージが強すぎて上げたらすぐ着くわけ。時間がない。上げて、着く。表面的にはタイミングを取っている感じだけど全く取れてない。本当だったらもっと足を早く上げなきゃいけない」との見解を示した。
また、高橋氏はエンゼルスの大谷翔平選手(27)を例に挙げ、鈴木の打撃と比較、分析した。
「大谷君みたら分かるけど、ノーステップでパッと早くタイミングを取って『のー・さん』で打てるんだけど誠也君の場合は『いち・に』で、『の』がないわけ。だから『いち』『に』になるわけ」
そして「自分じゃ気付かないところがあるから、そういうところだけ気を付けてアドバイスなんかしたらすぐ直ると思う」と打撃復調に期待を寄せた。
なお、鈴木は5月9日(日本時間10日)のパドレス戦で右足首を負傷し6回の守備から交代。10日の同カードではスタメンから外れ、9回に代打で登場しセンター前にはじき返して2試合連続安打を記録し、打率を2割5分5厘とした。
Seiya draws a lot of walks.
— Chicago Cubs (@Cubs) April 17, 2022
This is not one of them. pic.twitter.com/CmVxOldx1p