白星が遠い。巨人が2022年5月10日のDeNA戦(新潟)で1-3と敗れて今季ワーストの5連敗。先発の山崎伊織が初回に3点を失うと、坂本勇人、吉川尚輝を欠いた攻撃陣も反発力がない。得点は3回1死二、三塁から丸佳浩の二ゴロの間に返した1点のみ。4安打のみとつながりを欠いた。
「ウォーカーの守備が足を引っ張る形に」
最近10試合で1勝9敗。計23得点で1試合平均2.3得点と貧打に苦しんでいる。先制点を許して主導権を握られると苦しくなる。初回の3失点が重くのしかかる結果になったが、スポーツ紙記者は山崎に同情的な見方を示す。
「左翼・ウォーカーの守備が足を引っ張る形になりました。初回無死満塁で牧秀悟の浅い左飛で三塁走者のタッチアップを許したが、もっと後ろから勢いをつけて捕球しないと力のある送球が投げられない。その後のソトの左中間に飛んだ2点適時打もウォーカーの一歩目の出足が遅いので捕球できなかった」
ウォーカーと右翼のボランコは守備に難があるため、他球団は積極的に次の塁を狙っている。安打性の打球が二塁打になり、二塁に走者を置いた場面では前進守備でも相手球団の三塁コーチャーは積極的に本塁へ突入させる。もちろん、巨人の首脳陣も両外国人の外野守備がウィークポイントであることは理解しているだろう。ウォーカーとボランコの打力に期待を込めて起用しているが、プラスアルファが大きいかというと疑問が残る。
「守備が弱いチームは勝てません」
ウォーカーは打率.287、7本塁打、17打点。チーム屈指の飛距離を放つパンチ力が大きな魅力だが、選球眼は良いといえずボール球を振る場面が目立つ。出塁率.308で得点圏打率.240は満足できる数字ではない。外野の守備は一朝一夕で上達するものではない。レギュラー確保へ打力でアピールし続けるしかない。
一方、ボランコは打率.233、5本塁打、11打点と試行錯誤が続いている。メジャー通算96本塁打の助っ人は4番・岡本和真と共に主軸として期待されたが、得点圏打率.121と好機でブレーキになる場面が目立つ。
「守備が弱いチームは勝てません。坂本の代役で遊撃に入っている廣岡大志も身体能力が高い選手ですがイージーミスが目立つ。昨年はリーグ最少の45失策だったが、今年は39試合でリーグワーストの27失策と急増し、記録につかない拙守も多い。あの守備陣では投手が足を引っ張られる。ウォーカー、ボランコの起用法を含めてどう立て直すかですね」(前出のスポーツ紙記者)
長いトンネルを抜け出すために、百戦錬磨の原辰徳監督の手腕が問われる。(中町顕吾)