プロ野球中日・大野雄大投手(33)の人柄がファンの心を鷲掴みにした。中日の公式ユーチューブ動画が2022年5月7日に公開され、6日に行われた阪神戦(バンテリンドーム)の舞台裏に迫った。
大野「ホンマにチームが勝って良かったの一言」
試合は中日先発の大野が9回をパーフェクトに抑え、両軍無得点のまま0-0で延長戦に突入。大野は10回2死走者なしの場面で阪神・佐藤輝明内野手(23)に2塁打を許したものの後続を抑え無失点で切り抜けた。
その裏に攻撃陣が奮起。1死満塁から石川昂弥内野手(20)のサヨナラ打で劇的勝利を飾った。大野は完全試合こそ逃したが、打者31人に対して120球を投げ1安打5奪三振の完封で今季2勝目を挙げた。
動画は試合直後のベンチ裏の様子などが収められ、ロッカールームに引き揚げる大野が歓喜の雄叫びを上げながらチームメイトと喜びを分かち合うシーンも見られた。また、ヒーローインタビュー後にスタッフが大野を直撃し、試合の感想を求めた。
大野は「ホンマにチームが勝って良かったの一言ですね。記録とかありますけど、そんなに簡単に達成できるものではないですし。それよりもひとつの勝ちといいますか、それがチームについたのでこれほどうれしいことはないですね」と率直に胸の内を明かした。
そして惜しくも完全試合を逃したことに関しては「持ってないですね。間違いなく、大野雄大」と自虐的に振り返り、「打たれるなら佐藤選手だと思っていましたし、ホームランじゃなくて良かったなという球だったので。その後、大山選手を何とか打ち取れたのも良かったです。最後は僕の気迫を読み取って決めてくれたと思います」と語った。
大野「めちゃくちゃ準備してました」
その一方で完全試合を達成した暁には「めちゃくちゃ準備してました、今回実は」と告白し、「前回うれしすぎてえらい表現をしてしまったので今回もし達成出来たらマジで準備していました、実は。また今度にとっておきます」と笑顔を見せた。
大野が「前回」と表現したのは19年9月14日の阪神戦でノーヒットノーランを達成した時のことで、大野はマウンド上で歓喜を爆発させ、チームメイトに抱きつきながら何度もジャンプを繰り返した。
また、大野はサヨナラ打を放った石川に試合前に栄養ドリンクを差し入れたことを明かした。先発した4月28日の阪神戦で前日に石川に栄養ドリンクを差し入れし、石川が2ランを放つ活躍を見せたため今回も期待を込めて差し入れたという。
動画のコメント欄には完全試合、ノーヒットノーランを逃したにもかかわらずチームの勝利を心から喜ぶエースの姿に「一番悔しいはずなのに、こう言える大野雄大、ほんとにドラゴンズの宝」「本当にエースの中のエース」「素晴らしい以上の言葉が見当たらない」「記録より記憶に残る男」などのコメントが寄せられた。