国民民主党の玉木雄一郎代表は2022年5月10日の定例会見で、元参院議員の山下八洲夫容疑者(79)が新幹線のグリーン券の詐欺容疑などで逮捕されたことについて、「いい迷惑」「言語道断」「ほんっと迷惑」などと怒りをぶちまけた。「他党の議員も含めて、もう『国会議員ってこんなことばっかりやってるのか!』と思われる」というのが、その理由だ。
山下容疑者は立憲民主党岐阜県連の常任顧問を務めていたが、逮捕を受けて県連は役職を解任し、党員としても除籍することを発表している。玉木氏は立憲に対しても「犯罪の全体像」について説明責任を果たすように求めた。
「他党の議員も含めて『国会議員ってこんなことばっかりやってるのか!』と思われるから」
山下容疑者は現職国会議員の名前をかたって「国会議員指定席・寝台申込書」を提出し、グリーン券をだまし取った疑いが持たれている。見解を問われた玉木氏は、「一言で言うと、いい迷惑ですね。かつ、言語道断です」。次のように事案に対する怒りをぶちまけた。
「まず、余罪がどれだけあるのか。あるいは誰がその名義を貸していたのかとか、その犯罪の全体像を早く、立憲民主党さんは明らかにして説明責任を果たすべきだと思いますね。もうね、こんなことをやられると...引退された方ですけど、他党の議員も含めて『国会議員ってこんなことばっかりやってるのか!』と思われるから、もう、ほんっと迷惑です。いい迷惑」
その上で、立憲に対して
「自浄作用をしっかり働かせて、国民の皆さんの政治に対する不信感を早く取り去る努力をしてもらいたい」
と求めた。
参院選で「『一味』であるかのような認識が県民に広がると」
22年夏に控える参院選にも影響が出そうだ。山下容疑者のおひざ元の参院岐阜選挙区(改選数1)では、国民民主が新顔で元CBCアナウンサーの丹野みどり氏(48)の擁立を決めている。丹野氏の擁立をめぐっては、国民民主、立憲、両党の支援団体の連合岐阜が連携して候補者選びを進めてきた経緯があるが、この協力関係の行方も不透明になってきた。
玉木氏は
「立憲民主党さんからの応援がどうなるのかは、それは他党の決める話」
だとする一方で、山下容疑者が所属していた立憲の仲間だとみられることが悪影響を与えかねないとの見方を示した。
「それにしても本人も頑張ってやっていたので、本人にも何かそういう、『一味』であるかのような認識が県民に広がると、選挙にとっても不利に働きますからね...」
岐阜選挙区は、自民現職で国土交通副大臣の渡辺猛之氏(54)と共産新顔の三尾圭司氏(45)も出馬予定だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)