プロ野球中日の元監督で野球解説者の落合博満氏(68)が2022年5月8日放送の「サンデースポーツ」(NHK)に出演し、シーズン中のケガのリスクに関して私見を述べた。
今季は3月25日にセ・パ両リーグが開幕し、ここまで全チームが30試合以上を消化した。開幕から1か月が過ぎたなかで落合氏は「ちょっとケガ人が多いかなという気がします」との感想を漏らした。
ケガのリスクが高まる時期は
番組では、巨人の坂本勇人内野手(33)、菅野智之投手(32)やDeNA佐野恵太外野手(27)、日ハム近藤健介外野手(28)らチームの主力選手がケガなどで戦線離脱している現状を伝え、落合氏にケガ人が出る要因について意見を求めた。
落合氏は「ゲーム中にデッドボールとか自打球という不測の事態で抹消するケースはあると思うけど、たとえば肉離れとかはちょっと練習不足かなという気がしますね」と指摘した。
また、中日監督時代のキャンプで日が暮れるまで練習をさせたことが紹介されると「練習はウソつかない」と断言し、「昔からの格言の通りでシーズン通して休ませたのはオールスターの2日間だけ。あとはベテランも若手も移動日でも必ず練習させていましたから。技術を上げるとともに体力的に強化していくことが主体だった」と説明した。
選手として3度の三冠王を達成し、監督としては中日を4度リーグ優勝に導き、07年には日本シリーズを制した落合氏。長きにわたるプロ野球での経験からケガのリスクが高まる時期を独自に分析して明かした。
落合氏によると、ケガのリスクが高まる時期はシーズンを通して3度あるという。最初は開幕から1か月後、そして次は梅雨の時期。最後はオールスターゲーム後の夏の終わりに来るという。
「出続けるということの方が大事だと思う」
落合氏はこの期間の対応について「首脳陣の配慮が必要になってくると思う」としつつも、「疲れているから休ませることは私は反対です」と持論を述べ、その理由に言及した。
「レギュラーであれば疲れをどうやって克服していくかというノウハウを持っている。ベテランは後半になったら、3打席、4打席立ってベンチで休ませるような方法をとることもあるけど、出続けるということの方が大事だと思う」
さらに「1回休んでしまうと体がそれに慣れてしまうので、その後9回まで行けとなったらものすごくしんどい思いをしなければいけない。野球選手は本能で動きますから、無理だなと思っても本能で行っちゃうとケガをするリスクが高まってくる。できるのであれば休ませたくはないですよね」と語った。
5月8日時点でセ・リーグはヤクルトが首位に立ち、パ・リーグは楽天が23勝6敗1分の好成績で首位を快走している。5月24日からはセ・パ交流戦が開幕する。