「障害あるから仕事できない」決めつけないで 手足3本失った僕、障害者雇用を経て思う「心のバリアフリー」

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会社には本当に良い人が多い

   僕自身もかつて、障害者雇用の待遇の低さにガッカリし、「自分は人と違うのか。障害者は大人しく暮らしていくしかないのか」と、社会復帰を諦めかけた経験があります。選択肢が少なすぎて「人生お先真っ暗じゃん」と思ったのも事実です。

   僕は当時、周囲の支えがあってもう一度奮起できたけど、同じ状況に直面して諦めてしまった障害者がいるかもしれません。「障害があるだけ」で不利益を被ってはいけないはずです。可能な限り、健常者も含めたみんなと同じ入り口で受け入れてくれる企業が増えてほしいなと願います。

   一方、僕が勤める会社には本当に良い人が多いです。同僚や先輩、上司の気遣いをすごく嬉しく思うことが多々あります。たとえば台風や強風で、まともに義足で歩いて帰れなくなった時。前の会社も今の会社も、僕の体を心配してくれて「山田、危ないから早く帰ったほうがいいよ」と言ってくれます。「車で送っていこうか」と言ってもらったことや、朝から大雨なら臨時で在宅勤務にさせてくれたこともあります。

   この連載でも以前、雪の日に上司に助けてもらった話をしましたが、こうした心遣いは本当にありがたいです。僕自身も恩返ししたいと思います。

   ダイバーシティの考えが本当の意味で社会に浸透するには、まず個人個人の意識が大事です。受け入れる姿勢が1人1人に広がっていくことで、きっと会社が変わり、社会が変わっていくと思います。そのためには僕たち障害者も、できること、できないことを理解してもらう努力が必要です。

   歩み寄りを個人個人が積み重ねていかないと、社会全体は変わらない。そう考えるから、僕はみんなに知ってもらうために発信を続けています。

(構成:J-CASTニュース編集部 青木正典)

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