障害者雇用の現実に「ガッカリしてしまった」 諦めかけた社会復帰、手足3本失った僕の就活実体験

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「障害者は大人しく静かに暮らしていくしかないのか」

   でも、面接を受ける前の段階で、障害者雇用の現実にガッカリしてしまいました。障害者雇用の求人を見た当時、正社員雇用がほぼなかったです。月給は多くの会社で20万円以下、低いところだと13万円くらいでした。自分なりに頑張ってきたけど、「待っているのはこういう求人だけなのか。自分は人と違うのか。障害者は大人しく静かに暮らしていくしかないのか」と悲観しました。

   就職前、自立のために1人暮らしする目標も設定していました。東京都内で1Kのアパートを駅徒歩圏内で借りると、家賃相場は大体7~8万円。水道光熱費や携帯電話料金も含めると、生活のために月10万円くらい必要です。給与が額面で20万円以下だと、手取りはもっと下がるから、ただ生活して食いつなぐためだけに働かないといけなくなるのかなと、厳しい現実に直面しました。

   一方で、給与が低いことが理解できる部分もあります。障害がある人には障害年金やいろいろな福祉手当が整備されています。障害基礎年金は、一番重い障害等級1級なら月に約8万円。障害厚生年金があれば上乗せされます。他にも月約2万7000円の特別障害者手当や、自治体の手当などがあります。こうした年金・手当を全て受け取っていれば、給料が13万円程度でも生活できる金額は確保できます。

   ただ、僕は特別障害者手当は受給できていますが、障害年金は受給できていません。受けるには、事故後の初診日までに国民年金か厚生年金に加入し、定められた保険料を納付していなければならなかったのですが、僕は20歳になって10か月ごろの事故で、受給に必要な保険料を納められていませんでした。大学を中退し、就職してから約2か月だったためです。受給要件を満たしていない時に起きた事故でした。当時、病院のベッドで知りました。

   だから何とか働いて稼がないといけない。会社に入って社会復帰しないといけないと思っていました。そうした中で見た障害者雇用の求人の月給が低かったので、愕然としてしまいました。まるで「死んでもいい」と社会に言われているような気持ちにすらなりました。

   中には月給20万円を超える求人もありました。そこでさらに現実があって、精神障害者や身体障害者などいろんな障害者がいる中で、わずか1~2枠を争わないといけませんでした。物凄い倍率でした。

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