なんでこんなに違うの――。防衛省・自衛隊公式サイトのデザインが「日本語版」と「英語版」で全く異なることが、ツイッター上で話題になっている。
日本語版は赤、緑、青などカラフルな配色の一方で、英語版は白黒が基調のシックなデザインだ。サイトのデザインを分けている理由を、防衛省の担当者に聞いた。
「ダサすぎ」「見やすい」日本語版に寄せられた声
防衛省・自衛隊の日本語版サイトを開くと、まず目に飛び込んでくるのは新型コロナウイルス接種会場の情報だ。左側には自衛隊大規模接種会場の予約ページへのリンクが赤い背景で表示され、右側には接種会場の関連情報へのリンクが緑の背景で表示される。
その左下には「ウクライナ関連について」「わが国を取り巻く安全保障環境」「自衛官幹部候補生の募集ページ」などのコンテンツへのリンクが一つのブロックにまとまり、右側には「お知らせ」「更新情報」「採用情報」の一覧が表示される。全体的にカラフルな色遣いで、情報がコンパクトに集約されている印象だ。
一方、英語版サイトを開くと、真っ先に目に入ってくるのが大きな「MINISTRY OF DEFENSE」(防衛省)の文字。バックには、自衛隊機の飛行シーンや隊員が活動する様子などが動画で流れている。その下の「TOPICS」では、岸信夫防衛大臣の最近の活動実績が写真付きで紹介され、さらに下にスクロールすると、日本と防衛協力・交流関係にある国々が分かる世界地図が表示される。
色は白と黒が基調のシックなデザイン。日本語版はスクロールすればすぐにページ最下部に至るコンパクトさだったが、英語版ではコンテンツが縦方向に長く連なっている。
この日本語版と英語版のデザインの違いが2022年4月中旬にツイッター上で話題になり、「英語サイトかっこいい」「(日本版は)いかにもお役所のページだなって感じ」「日本語版ダサすぎ」「天地ほどの差」などの意見が聞かれた。中には「見やすいのは日本の方」「どっちも好き」という声もあった。
日本語版は「デザイン見直し」検討
なぜ、日本語版と英語版でデザインが違うのか。防衛省報道局の担当者は4月27日、J-CASTニュースの取材に「リニューアルの時期が違い、それぞれの利用者や利用の目的などを考慮してデザインを検討した」と説明する。
日本語版、英語版の公式サイトは1996年7月に運用を開始。日本語版は2010年のデザインをベースに改修を重ね、英語版は視認性・利便性向上を目的に21年3月から現行デザインになった。デザインを担当した業者はそれぞれ異なるという。
「日本語版の全体的なデザインは、内閣官房が示している『ウェブサイトガイド』を参照しつつ、利用者視点を意識したデザインにしました。大規模接種会場など利用者の多いコンテンツや、政策面で特にご覧いただきたいコンテンツは、トップページで色味や大きさを工夫しています」
「英語版は、全体的に外国の方に馴染みのあるようなデザインになるように、諸外国の国防省等のサイトを参考にしながら、デザインを決定しています。トップページの背景に各自衛隊(陸海空)の活動を端的に紹介している動画を掲載して、その活動を分かりやすく表現するとともに、最新の各国との会談や訓練をこういったコンテンツの内容に応じて、掲載位置や大きさを工夫しています」
ただ、日本語版サイトについてはデザインの見直しに取り組んでいるといい、「見やすさや扱いやすさの向上を目指して検討を進めています」とのこと。「防衛省・自衛隊の活動などについて、国民の皆様にご理解いただけるよう、よりよいホームページとするべく、努めていきます」