近鉄値上げ、看板列車「ひのとり」がこだまより高くなる? 利用者負担増も、待望の新車も今後投入

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14年間置き換えがなかった一般車に新形式

   とはいえ、新型コロナ感染拡大以降、近鉄沿線でも観光客は激減し、「上げざるを得ない状況です」(新田さん)という中で、普通運賃の値上げは通勤通学客の懐には打撃だ。

   近鉄には観光や特急の需要回復と並行する課題がある。一般形車両の老朽化が進んでおり、昭和40年代に製造された車両は約450両、一般車総数1400両の3分の1近くに上る(近鉄プレスリリースより)。

   「ひのとり」「しまかぜ」など看板列車が就役して特急型車両の置き換えが進んだ反面、一般形車両は2008年を最後に新車の導入がなかった。運賃改定のプレスリリースでは老朽車両の置き換えにも言及し、2023年度から25年度にかけて約180億円の投資を行う予定だ。

   「特急ばかり置き換えられて一般車はそのまま、なんでその上運賃が上がるんだ...という気持ちも地元にはあったかもしれませんが、既存車両の更新も進んでいますし、新形式の導入も実現します。コロナで余裕のない状況ですが、車齢60年近くの古い車両の置き換えも喫緊の課題でした」(新田さん)

   近鉄はもともと関西私鉄の中でも運賃水準は高く、ローカル線区も抱えるため経営事情は順風満帆ではなかった。とはいえ、久々に普通列車でも新車が投入される。「2025年の大阪・関西万博まで辛抱が続くでしょう」(新田さん)との先行きだが、特急・普通ともにサービス向上の布石も打たれている。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

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