幻に終わった赤井英和との対戦
また、金平会長は亀田さんの「幻のカード」にまつわるエピソードを明かした。
金平会長によると当時、亀田さんと赤井英和氏の対戦話があったという。赤井氏は現在俳優として芸能界で活躍しているが、現役時代は「浪速のロッキー」としてKOを量産し、関西地区では世界王者をしのぐ人気を誇った。先代協栄ジム会長と赤井氏が所属するジムの会長が親しい間柄にあったため対戦話が浮上したという。
「私が聞いていたところでは、対戦が実現する手前までいったそうです。試合が成立しなかった大きな理由はテレビ局の問題だったと思います。お互いに別々の局がそれぞれ試合を放送していましたので、うまく調整することが出来なかったようです。亀田さんは『200年に1人の天才』、赤井さんは『浪速のロッキー』ですから対戦が実現していたらビッグマッチになっていたでしょう」
亀田さんは現役引退後、長い間ボクシング界から離れていたが、数年前に協栄ジムを訪れ数回にわたり選手を指導したこともあったという。
金平会長は「亀田さんは天才肌で練習嫌いと言われていましたが、ボクシングに関しては非常にクレバーで論理的な思考を持っていました。亀田さんの天才的なボクシングの技術や理論をもっと多くの後輩達に伝えてほしかったというのが今の気持ちです。亀田さんのご冥福をお祈りいたします」と語った。