高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
13兆円規模の緊急対策では「まったく不十分」である理由

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一桁少ないと言わざるを得ない

   今回の経済対策の数字を精査してみよう。報道は、国費6.2兆円、総事業費13.2兆円と数字を羅列するが、その経済効果には言及していない。これらの数字は、政府資料の中にある。

   GDPギャップを埋めるための有効需要は追加的な「真水」といもいえる。政府の資料の中の数字でいれば、国費のうちの補正予算額である。この数字がもっとも適切な経済効果であるが、それは2.7兆円である。これでは、一桁少ないと言わざるを得ない。

   タイトルに「物価高騰」とあるが、GDPギャップがある間は、原油「価格」は上がるが、「物価」は上がらないので、タイトルにも問題がある。政府は、「価格」と「物価」の違いを理解しているのか。

   内容の中には、住宅の断熱改修などのいい点もあるが、予算金額があまり少ないので、経済対策の名に値しないものだ。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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