「タイバニ」ワイルドタイガーに半年をかけた
この「TIGER&BUNNY2」のデザインの制作秘話について、桂さんはトークショーで次のように語った。
「だいたいキャラクターのこういう感じっていうヒントだけはあるんですけど、好きなようにやってくれって感じで。性格とか大ざっぱに決まってはいたけどビジュアルに関しては全部丸投げで、1から全部想像していかないといけない。これがマンガの場合は自分で話を考えるんで既に人間像が頭に浮かんでいるので、デザインを起こす時にはそんなに頭を使ってないんです」
このように、デザイナーとマンガ家としての発想の違いを話す桂さん。そして
「もう言ってしまおう(笑)『TIGER&BUNNY』の場合は、最初にワイルドタイガーをデザインした時は、これを基軸にしようと思ったんで半年かかりました」
「これだ!って出したらOKになっちゃうので、アメコミや日本の特撮ヒーローがある中で新しくやるものだし僕のマンガのどこともかぶらないようなデザインにしたかった。ある程度の落としどころでやめたくなかったんです。エポック的なものにしたかっただから時間がかかった」
と明かす。
「出来上がった瞬間先生が見たいです」とトークショーで共演した伊織もえさんに聞かれるも、「それでも不安でした」と心境を話していた。
トークは桂さんのヒット作をめぐる様々な話題で推移したが、「電影少女」のヒロイン・天野アイを当初のプロットでは「消すつもりだった」と明かす。ビデオテープから登場した「ビデオガール」のアイだが、「消すつもりだったんですけど、ファンレターで『消さないで』っていうものが多かったんで、奇跡を起こしました。だから(アイが)人間になったやり方に無理があったんです」とのことだった。