日ハム「いぶし銀」今季の行方は 若返り図るBIGBOSS...厳しい立場も「意地を見せてほしい」

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   開幕して1カ月が経った。新庄剛志監督ことBIGBOSSが就任した日本ハムは8勝17敗の最下位に沈んでいる。

  • 写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ
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ファンの人気も根強いですし...

   ただ戦いぶりは決して悪くない。「チームの顔」だった西川遥輝、大田泰示が昨オフに自由契約で退団し、レギュラー争いは横一線となった。万波中正、清宮幸太郎、今川優馬とまだまだ確実性は低いが、長打力が魅力の若手たちが台頭してきている。伸び悩んでいたプロ11年目の松本剛もリーグトップの打率.400をマーク。同期入団で主力の近藤健介と共に打線を牽引している。プロ4年目の野村佑希は確実性と長打力を兼ね備え、「不動の4番」になれる可能性を秘めた逸材だ。

    一方で、出場機会を減らしているのが栗山英樹前監督の下で遊撃のレギュラーを長年務めてきたプロ14年目の中島卓也だ。今季の出場は3試合のみ。開幕を2軍で迎え、今月23日に1軍昇格すると、「9番・遊撃」でスタメン出場した23日のソフトバンク戦(札幌ドーム)で2回2死一塁の場面で二塁への内野安打で好機を広げ、得点に結びつけた。6回にもライナーを好捕と攻守でアピールした。

   中島は「いぶし銀」という言葉が良く似合う。遊撃の守備は堅実で、俊足を生かして守備範囲も広い。15年には34盗塁をマークしてタイトルを獲得している。打撃も際どいコースの球をカットしてファウルにする高等技術を磨き、15、16年は両リーグトップのファウル数を記録。安打を打つだけが打者の存在価値ではない。投手は球数を費やすため厄介な存在だった。通算打率.238と決して高くないが、四球数が多いため出塁率.312にはね上がる。攻守で「縁の下の力持ち」としてチームを支えてきた。

   ただ、近年は持ち味の守備でミスが散見されるようになり、若手の台頭もあり出場機会を減らしていた。昨季は新型コロナウイルス感染で戦線離脱した影響もあり、67試合出場で打率.186、7盗塁。13年から8年連続続いていた2ケタ盗塁も途絶えた。

   3年契約最終年の今季は不退転の決意で臨んでいる。31歳とベテランの域に入り、年俸8000万円(推定)とチーム内で高給取りの部類に入る。本人も危機感はあるだろう。

「ビッグボスは守備と走塁に重点を置いています。中島は緻密で精度の高い守備と走塁に定評がある選手なので、目指している野球の方向性は合うと思います。本来の状態を取り戻せば、遊撃のレギュラーに返り咲く可能性は十分にある。厳しい立場であることは間違いないですが、ファンの人気も根強いですし意地を見せてほしいですね」(スポーツ紙記者)

   経験豊富なベテランの存在は必要だ。最下位からの上位浮上へ、中島が起爆剤になれるか(中町顕吾)。

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