街の書店はなぜ潰れ続けるのか SNS議論に見る「Amazonのせい」だけじゃない切実事情

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   ツイートまとめサービスTogetter(トゥギャッター)を運営しているスタッフがTwitterで注目された話題を厳選し、考察するコラムの第48回をお送りします。今回のテーマは「リアル書店の淘汰と存在意義」です。

Togetter社が解説する「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」<出張版>

   2022年4月11日、東京・港区にある書店「文教堂書店赤坂店」の公式アカウントが、6月17日をもって閉店するとTwitterで発表しました。閉店の直接的な理由は開発計画によるビルの建て替え工事だそうですが、これで赤坂駅周辺の一般書店はほとんどなくなることに。赤坂店が閉店発表とともにツイートで投げかけた「書店という業態は世の中に街に必要とされなくなっているのだろうか?」という疑問は大きく拡散しました。

   これをきっかけに、文教堂書店赤坂店を実際に利用していた人や「リアル書店は絶対必要」と考える人たちから、閉店を惜しむ声だけでなく強い危機感を覚えたというツイートが増加。「Amazonでしか本が買えなくなってしまうのか」「もしそうなったら、どんなことが起きるのか」といった声が見られました。

<Amazonでしか本が買えなくなった時に考えられる最悪な事態とは? 赤坂の文教堂書店が閉店して思うこと - Togetter>

  • 書店は街からなくなってしまうのか(画像はイメージ)
    書店は街からなくなってしまうのか(画像はイメージ)
  • 書店は街からなくなってしまうのか(画像はイメージ)

リアル書店は必要とされなくなってきているのか

   ご存知のとおり、リアル書店は減り続ける一方。書店調査会社のアルメディアによると、書店の数は20年に渡ってほぼ変わらないペースで減少しており、2020年5月1日の時点で実際の「売り場」を持つ書店数は1万店以下となっているそうです。

   リアル書店の閉店に対する反応をTogetterで確認してみると、2010年には「小さな街の本屋さん」が閉店していることへの危機感と、生き残りの道を模索するツイートのまとめが作られていました。

<「小さな町の本屋さん」が生き残る道を考えてみました - Togetter>

   また、2015年には「リアル書店の減少によって活字離れが起こるのか」といった話も。こちらも街の本屋さんの閉店が進んでいることをきっかけに起きた議論でした。ちなみに2015年9月は東京・千代田区神田神保町の「書泉ブックマート」が閉店。「本の街」と言われている神保町において比較的大型の書店が閉店したことで、惜しむ声が集まっていました。

<【9月いっぱいで閉店】「 #書泉ブックマートの思い出 」まとめ。 - Togetter>

   2018年には「小田急ブックメイツ新百合ヶ丘店」や「山下書店渋谷南口店」が閉店。小田急ブックメイツ新百合ヶ丘店では、閉店に際し人気作家らからコメントが寄せられていました。また、山下書店は早朝7時から営業していたことや、サブカル系の書籍を多く扱っているという特徴を持っていたこともあり、今後はどこの書店に行けばいいのか......と寂しがる人も多かったようです。

<さよなら、小田急ブックメイツ新百合ヶ丘店さん - Togetter>

<サブカル系はじめ多くの人御用達だった山下書店渋谷南口店が閉店へ...山下書店難民発生の予感 - Togetter>

   このように個人経営の小さな書店から都心に近く比較的利用者が多い立地にあるはずの中型?大型書店までが次々と閉店するたび、消えゆく店を惜しみつつ、「ネット書店の隆盛」に関する声が集まる傾向にあります。

   同時に、リアル書店の店頭に飾られている書店スタッフなどが趣向を凝らした本の紹介POPについて「Amazonに負けないと思ってるんだけどなぁ...」などリアル書店へのエールも注目されることも多くなりました。

<「Amazonには絶対負けないと思ってるんだけどなぁ...」書店に飾られた素敵なポップの数々、もうこういうのは求められてないの? - Togetter>

   このように「書店が閉店される」というニュースが報じられるたび、Twitterでは「リアル書店とネット書店、それぞれのメリットとデメリット」について議論が起こる傾向があります。

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