佐々木朗希の降板はなぜ受け入れられたのか 3年前は登板回避で抗議も...理解進んだ背景は

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   2022年4月17日の日本ハム戦で「2試合連続完全試合」が現実味を帯びる中、8回で降板した千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手(20)。試合後に各メディアが実施したアンケートでは、佐々木投手の降板を支持する声が多く集まった。

   「令和の怪物」として、高校時代から高いポテンシャルが注目されていた佐々木投手だが、その慎重な起用方法が議論を呼ぶこともあった。識者は今シーズンの投球で「少しでも長く見てみたいとか、これからどれだけ化けるんだろうかという期待が強くなった」と、佐々木投手の「慎重起用」への理解が進んだと分析する。

  • 佐々木朗希投手(写真:YONHAP NEWS/アフロ)
    佐々木朗希投手(写真:YONHAP NEWS/アフロ)
  • 佐々木朗希投手(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

野球解説者も理解示す

   プロ3年目の佐々木投手は22年4月10日のオリックス戦で、9回を一人のランナーも出さずに投げ抜き勝利する「完全試合」を達成。日本プロ野球では1994年に巨人・槙原寛己さんが達成して以来、28年ぶりの快挙だった。同試合では日本タイの1試合19奪三振、日本新記録の13人連続奪三振も記録している。

   続く4月17日の日本ハム戦でも、8回まで完全投球を継続。この時点でスコアは0-0だったが、2試合連続の完全試合に期待が集まっていた。しかし、井口資仁監督は8回102球で佐々木投手の交代を告げ、史上初の2試合連続完全試合は実現しなかった。

   佐々木投手の降板後、野球解説者の藤川球児氏はツイッターで「佐々木投手の交代に一安心」と投稿。野球日本代表元投手コーチの建山義紀氏も「素晴らしい英断」とツイートし、佐々木選手の将来を考慮した井口監督の采配を評価した。

   采配の是非を読者・視聴者に問うメディアもあった。スポーツニッポンは佐々木投手の降板後に「スポニチ野球記者」のツイッターアカウントで、今回の采配をどう思うか質問。すると2万1378票のうち75.5%が「賛成」、12.7%が「反対」、11.8%が「どちらとも言えない」という結果になった。

   また、4月18日放送の朝の情報番組「めざまし8」(フジテレビ系)では視聴者アンケートの結果、投票数3万7343票のうち73%が降板を「理解できる」、27%が「理解できない」という結果に。同日夜のニュース番組「news zero」(日本テレビ系)もツイッター上で行ったアンケート結果を伝え、85.5%が「支持する」、14.5%が「支持しない」だった。

高校時代は甲子園あと一歩で未登板→チーム敗戦で物議

   19年の大船渡高校時代には最速163キロを記録し、「日本球界の宝」として育てられてきた佐々木投手。その慎重な起用方法は、たびたび注目を集めてきた。

   大船渡高校の35年ぶり甲子園出場をかけた19年夏の岩手県大会では、当時の國保陽平監督が、故障防止のためエースの佐々木投手を登板させず。チームは2-12で花巻東高校に敗れ、甲子園出場を逃した。

   当時の球界関係者からは國保監督の采配を理解する声が聞かれた一方、報道番組「サンデーモーニング」(TBS系)でコメンテーターを務めていた野球解説者の張本勲氏は「絶対に投げさせるべきだった」と主張。甲子園出場を逃した高校には、大量の抗議の声が寄せられたと報じられた。

   ドラフト4球団競合の末に入団したロッテでも、一年目は身体作りに専念するため一軍・二軍ともに公式戦の登板はゼロ。一部では佐々木投手が試合で投げないことを不安視する報道もあった。

   スポーツライターの高木遊氏は19日、J-CASTニュースの取材に「高校当時から慎重な起用を支持する人は多かった」としつつ、今シーズンの投球で「どれだけ『日本球界の宝』かが、より強烈に認識された。一瞬の偉業より少しでも長く見てみたいとか、これからどれだけ化けるんだろうかという期待が強くなったのではないでしょうか」と、佐々木投手を慎重に起用することへの理解が進んだと分析した。

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