「選手の能力を生かし切れていない」 借金15で最下位独走...阪神の低迷は「首脳陣の失態」なのか

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   プロ野球・阪神が苦境に立たされている。2022年4月20日のDeNA戦(横浜)で延長10回の末に0-1でサヨナラ負けを喫し、借金は今季ワーストの15に。

   ビジター球場で開幕から11連敗、開幕22試合で借金15は91年の29試合を上回る球団史上最速と屈辱的な数字が並んだ。

  • 矢野監督(写真:アフロスポーツ)
    矢野監督(写真:アフロスポーツ)
  • 矢野監督(写真:アフロスポーツ)

「打順や守備位置もコロコロ変わる」

   低迷の要因の一つが深刻な貧打だ。今季早くも5度目の完封負けでチーム打率.218はリーグワースト。ただ、サヨナラ負けを喫した試合は好機がなかったわけではない。DeNAの4安打を上回る7安打をマークしたが、再三の好機を生かせなかった。

   象徴的だったのが初回の攻撃だった。先頭打者の中野拓夢が三塁線を破る二塁打で先制の絶好機を作ったが、2番・佐藤輝明が見逃し三振。3番・近本光司が一ゴロ、4番・大山悠輔が三ゴロと先制できない。その後も3回2死二塁、4回2死一、三塁、8回2死一、二塁とチャンスは作るが、あと一本が出ない。先発の小川一平が自己最長の7回を投げて2安打無失点の快投も援護できなかった。

「今年に限った話ではないですが、阪神は得点を取るための進塁打、犠打がきっちりできていない。個々の能力に頼っているだけでは得点は取れません。状態の悪い時にエンドラン、盗塁などで試合を動かすのも一つの手だと思いますが...。選手だけに低迷の責任があるわけではない。打順や守備位置もコロコロ変わるので、首脳陣が選手たちの能力を生かし切れていないように感じます」(スポーツ紙デスク)

2番・佐藤輝の新打線も機能せず...

   今年はプロ2年目の佐藤を開幕から4番に据えていたが、チームが低迷しているのを受けて打線のテコ入れに着手。佐藤は4月14日の中日戦(バンテリンドーム)から2番に入り、リードオフマンの近本を3番、中野を新たな1番に据えた。大山が4番に入った新打線だが機能しているとは言い難い。

   近本、中野ら俊足の選手を生かした緻密な野球を行うのか、佐藤を2番に据えて初回から大量得点を狙う攻撃的な布陣で戦うのか方向性が見えない。下位打線の弱さも気になる。6番での起用が多い糸原健斗は打率.189、0本塁打、4打点と好機でブレーキになることが多く、7番以降もなかなか固定できていない。

   首位・巨人と11.5ゲーム差まで開き、最短で4月29日に自力優勝が消滅する危機となった。

「さすがに4月中に自力優勝が消滅することはないと思いますが、今のままでは浮上のきっかけがつかめない。リーグ優勝どころかCS進出も厳しいでしょう。今年限りでの退任を明言している矢野監督も意地があるはず。阪神ファンを失望させないためにも逆襲してほしいですね」(スポーツ紙記者)

   ペナントレースは120試合以上残っている。どん底から上昇気流に乗せられるか。(中町顕吾)

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