食品や日用品で相次ぐ値上げ。その波は、意外な所にも押し寄せている。
世界で最も多く遊ばれたトレーディングカードゲームとして知られる「マジック:ザ・ギャザリング」(以下、MTG)の一部製品が、2022年9月から11%前後値上げされることが4月19日に発表された。プレイヤーからは「11%値上げは痛い」「敷居がさらに高くなっちゃう」と悲痛な声が聞かれている。
21年春にも値上げ...「また値段上がるの?」
MTGは1993年に販売開始。「土地」や「クリーチャー」など、複数のカードを組み合わせた「デッキ」を用いて相手と対戦する遊びだ。16年4月には、世界推定2000万人以上がプレイする「最も遊ばれたトレーディングカードゲーム」としてギネス記録に認定された。日本で人気のカードゲーム「デュエル・マスターズ」のルーツになったことでも知られる。
22年4月19日、MTGを販売する米ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が、カードパック「ドラフト・ブースター」など一部製品の価格を、9月から地域差を考慮した上で11%前後値上げすると発表した。
同社は「1年間にわたる材料費および輸送費、製造費の高騰は、ほぼすべての業界や人々に極めて大きな影響を着実に与えている」とし、MTGの生産、製造、配送コストも上昇していると説明した。同社は「値上げの幅は可能な限り小さくした」としている。
MTGでは21年春にも、原材料や輸送コストの上昇を理由に「ドラフト・ブースター」のメーカー希望小売価格が350円から400円(税抜き)に値上げされていた。
ツイッター上のプレイヤーからは「こればっかりはどうにもならん」「高くなるのは仕方ない」と理解を示す声が聞かれた一方、「11%値上げは痛い」「また値段上がるの?」「敷居がさらに高くなっちゃう」と悲痛な声も。他のカードゲームに値上げが波及することを心配する声もあった。
なお、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は4月19日にMTGのメーカー希望小売価格を廃止している。