ロシアがウクライナ侵攻で厳しい批判を浴びる中、世界中のロシア大使館でも抗議活動が展開されている。
参加者が死者になりきり横たわる「ダイ・イン」と呼ばれる伝統的な抗議行動が各地で行われたほか、建物をウクライナの国旗の色にライトアップしたり、大使館が面している通りがウクライナにちなんだ名前に改名されたりと、抗議のあり方はさまざまだ。
大使館前に洗濯機やトースター並べて「プーチンとロシア兵へのプレゼントだ」
とくに東欧で目立つのが、ロシア大使館がある道路の名前を変えるという抗議の形だ。アルバニア、ブルガリアは「ウクライナ解放通り」、リトアニア、チェコは「ウクライナ英雄通り」の名前がついた。
「ウクライナ色」にライトアップされるロシア大使館もある。3月上旬、ポルトガルのロシア大使館が青と黄色に照らされたのに続いて、3月20日には、英国のロシア大使館の壁も同様に照らされた。夕刊紙のイブニング・スタンダードによると、現地でジャーナリストが殺害されたことに抗議した。
英国のロシア大使館では、皮肉を込めた抗議行動も行われた。4月9日、大使館前の道路が洗濯機やトースター、服、靴、おもちゃなどであふれた。この直前に、ロシア兵がウクライナの住宅から略奪した電化製品を、隣国のベラルーシからロシアに発送する様子が報じられたことを受けた抗議行動だ。プラカードのひとつには「プーチンとロシア兵へのプレゼントだ」。ウクライナの国花、ひまわりの花を大使館の柵にさす人もいた。
FBIはターゲット広告でスパイを勧誘
米政府による大使館への工作活動も表沙汰になった。3月23日付けのワシントン・ポストによると、米連邦捜査局(FBI)は、在米ロシア大使館で表示されるターゲット広告をフェイスブックやツイッターに出した。広告はスパイを募集する内容だ。ロシア大使館はツイッターで、ワシントン・ポストの記事は「米情報機関の指示で掲載されたもの」だと主張し、「大使館職員に混乱を招き、職場放棄をさせようとする試みはばかげている」と非難した。
違法行為が行われるケースもある。ニュージーランドでは2月に放火未遂、フィンランドでは3月に爆破予告があった。
東京・麻布台のロシア大使館前でもしばしば抗議活動が行われ、3月21日には、高校生のグループが抗議署名を提出したりしている。4月14日午後には、高齢男性がひとりでプラカードを手に「ストップ、プーチン!」などと声をあげていた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)