岸田政権の政策はよくわからないものが多い。
2022年4月13日の参議院本会議で、岸田文雄首相はスポーツやコンサートなどのイベントのチケット代を割り引く事業「イベントワクワク割」について、「現時点で直ちに始めることは考えていない」と明言した。
新型コロナウイルスの感染状況について、現時点でまん延防止等重点措置が必要な状況ではないとも言っている。
その一方、新型コロナで、「2類相当→5類」指定に見直しへという報道が9日、ダイヤモンド・オンラインであった。その見直しは長い間議論になっていたので、ようやく実行するのかと思ったら、「今夏の参院選後に」と書かれており、まったく意味のない話だった。
コロナとウクライナ情勢で大型補正が必要な時期
岸田政権は、何をやるのかどうかさっぱりわからないという特徴がある。その代表例が、堀内詔子ワクチン担当相だが、3月末何もしないで退任した。
今は、新型コロナによる余波とウクライナ情勢による経済危機が懸念されており、大型補正が必要な時期だ。しかし、岸田政権は動かない。4月5日、岸田首相は、緊急対策の取りまとめに向けた関係閣僚会議の初会合を開き、今年度予算の予備費を活用した迅速な対応を優先する考えを重ねて示したうえで、対策の検討を「加速」するよう指示したとNHKで報じられた。
菅義偉前首相は、補正予算の必要性を主張しているが、岸田政権は補正予算ではなく、今年度予算の予備費(5兆円)の枠内で対応するというのだ。
総供給と総需要の差であるGDPギャップが30~40兆円程度もある中で、予備費対応では不足があるが、検討ではなく、「検討を加速」というのは、悪い冗談でしかない。