俳優の鈴木砂羽さん(49)は芸能界で性加害報道が相次いでいることについて、2022年4月12日にnoteで、過去に映画監督から罵倒を受けていたことを明かした。
鈴木さんは「長いモノに巻かれてやり過ごす時代は終わった」と芸能界の体質改善を訴えている。
「ナメんじゃねーぞ」鈴木さんも反論
鈴木さんは「無性に書きたくなって。」というタイトルの記事で、十数年前に映画の試写会に行った際、監督と映画プロデューサーと会食したときのエピソードを明かした。監督の名前は明かしていない。
映画の内容には「さほど心を動かされなかった」という鈴木さん。監督から試写の感想を求められると、言葉を選びつつ「正直に思ったことを口にした」という。すると、気分を害した監督が自分の功績を語り出し、さらにこんな言葉を鈴木さんに投げかけたとした。
「君はお父さんが芸術家なんか知らないけど勘違いしてない?」
「あんなテレビの延長映画みたいな作品に出てイイ気になってる」
「〇〇監督はクソだ、あんな作品に出てるお前もクソ」
また、監督は「そのうちに以前付き合っていた?という女優の名前を出し、自分の元を去っていった女優がいかに売れたのは自分の功績だと言う事を語り出した」という。監督はその後も「出てけ。お前みたいな女優は二度と顔見せんな」と鈴木さんを怒鳴り、最終的には鈴木さんも「ナメんじゃねーぞ」と言い捨て、その場を去ったとした。
「これからは違う。泣き寝入りしてはいけない」
芸能界では現在、映画監督の榊英雄氏(51)や園子温氏(60)、俳優の木下ほうか氏(58)など、性加害報道が相次いでいる。
鈴木さんは「一連の報道を見て、今現在あの日のことを振り返ると、自分の中の本能的な怒りが発動したんだと思う。あの試写の日、最初映画を観た時からすでに感じていた」と振り返り、監督に「この男はただただ女を消費するんだ」という印象を感じ取っていたと伝えた。
また、この件の発信を控えてきた理由について「この世界、沈黙は身を守る事だ。余計な事は見ざる言わざる聞かざる。それがこの業界の教えの一つだった」と説明。その上で、こう訴えた。
「でもこれからは違う。泣き寝入りしてはいけない。事務所も見て見ないふりはしてはいけない。絶対に役者を守らなくてはならない。長いモノに巻かれてやり過ごす時代は終わった。一過性のニュースにしないためにも、そうした業界に蔓延る腐敗に気づいた我々が、この腐った世界を変えてゆかなくてはならないという意識が必要だ」
「もしここを見つけて読んでいる被害者の皆さん、あんな弱っちいクズ野郎たちにつけ込まれたのは悔しさしかないけどどうか学んで欲しい。今後見抜く目を身をもって知ったのだから、現場で立ち向かう勇気を持って欲しいと願う」