プロ野球中日の元監督・落合博満氏(68)が2022年4月13日にユーチューブチャンネルを更新し、今季限りの退任を表明している阪神・矢野燿大監督(53)について言及した。
番組は「オレ流!どうなる矢野阪神」とのタイトルで公開され、落合氏は矢野監督がキャンプイン直前の1月31日に今季限りの退任を表明したことに元監督経験者の視点から持論を展開した。
矢野監督退任表明「なぜあのタイミングで」
番組冒頭にスタッフから「監督経験者として1月31日に退任を表明することはご理解できる部分はありますか?」と問われた落合氏は「ない、一切ないそれは」と断言し、次のように続けた。
「辞めるひとのために誰がやる?プラスアルファとリスク、どっちが多いかといえばリスクのほうが多いと思う。矢野がどういう気持ちで言ったかそれは分からないけれども、どうせ言うんだったらシーズンの終わってからの方が潔いと思うけどね。体調不良なら体調不良でもいいし。なんかの理由を付けるんだったら付けてもいいし。それで辞める方が選手としてはありがたいんじゃないのかな」
そしてシーズン前に退任を表明したことが、どのようにチームに影響するかについて選手目線で言及した。
「矢野に見いだされレギュラーになってゲーム出ている人間は、矢野が辞めるんだったらなんとか有終の美を飾らせようとかで必死にやるかも分からないけども、冷や飯を食ってる連中というのは『どうせ次誰か来るんだろ』というそっちの方が多いと思う。だからなぜあのタイミングでっていうのがね」
「あの時偉かったのは選手だと思う」
また、動画では中日の監督退任にまつわる秘話を披露。落合氏は04年から11年まで8年間にわたってチームを指揮し、4度のリーグ優勝を果たし、07年には日本シリーズを制した。監督最終年となった11年シーズンは首位ヤクルトに最大10ゲーム差をつけられるも終盤に盛り返してリーグ優勝した。
落合氏は「あの年に俺と梨田(日ハム監督)が途中で『来季契約しないという』報道が出たんだ。俺は選手の前で『今季限りだよ』ということは言わなかった。ミーティングも開かなかった」と当時を振り返った。
そして「あの時偉かったのは選手だと思う。監督に有終の美を飾らしてやろうという気でやったんじゃないんだと。俺たちはここまでやってきたんだから負けるのは自分たちで気分が悪い。悔しいという一存でやってきたんだと思う」と語った。
阪神は今季開幕からセ・リーグワースト記録となる9連敗を喫するなど低迷が続いている。4月13日の中日戦では延長戦の末0-1で敗れ引き分けを挟んで5連敗。チームは13日時点で1勝14敗1分の成績でリーグ最下位に沈んでいる。