京都市内の交差点で白い乗用車がバイクに幅寄せするような動画がツイッターに投稿され、投稿者は、あおり運転だと訴えている。
ただ、なぜ乗用車がそのような行為をしたのかは不明だ。京都府警山科署では、乗用車の所有者を呼び出して事情聴取する方針を取材に明らかにした。
ドライバーに対し、「免許返納してください」と苦言
2台のバイクが交差点に入ると、右側の右折車線から白い乗用車が追い越してくる。片側1車線の道路のため、乗用車は、車線を変更するようにバイクの横に近づいて来た。
「あー、危ないわ!」。手前のバイクの男性は、こう声を上げる。乗用車は、追い越し禁止の黄色いセンターラインをまたいだ状態だった。前の車がストップしたため、バイクと乗用車も止まると、乗用車の男性ドライバーが助手席の窓を開ける。
ドライバーは、「てめえ!」と声を上げ、バイクの男性は、「何が? 何が?」と聞き返す。すると、ドライバーは、「なんや、見んな」と吐き捨てるように言って窓を閉め、バイク2台の前に車を割り込ませた。
「警察届けるから、この動画」「完全にあおりやねん、こんなギリギリ...」
乗用車は走り去ったが、京都ナンバーがはっきりと映っており、バイクの男性は、こう漏らして、乗用車のドライバーの行為に呆れた様子だった。
この40秒ほどの動画は、バイクの男性だというTsuさん(@kirisameBass)が2022年4月10日にツイッターに投稿した。
ツイートによると、7日15時過ぎごろ、京都市内の交差点でこの乗用車に幅寄せされるなどのあおり運転をされたといい、乗用車のドライバーに対し、「免許返納してください」と苦言を呈した。
ツイッター上でアドバイスを受け、Tsuさんは10日、京都府警のサイトから申請システムを利用して危険運転の情報提供を行ったと報告した。府警からは、11日に連絡があったとした。
山科署「今の時点では、あおり運転かどうかは分からない」
投稿した動画は、ヘルメットに付けたカメラで撮影したという。動画は、4月13日夕には100万回の再生を突破し、ツイッター上などで拡散している。
あおり運転の原因について、Tsuさんは、バイクを普通に運転しており、自らは何もしていないとツイッターで説明した。ヘルメットのカメラは、車が怪しい動きをしてから撮り始めたという。
Tsuさんは13日、J-CASTニュースの取材に、このときは兄弟でツーリングをしており、「蛇行運転や遅い速度で走ってるわけでも無いので 邪魔になるような運転はしてませんでした」と説明した。そして、乗用車のドライバーがバイクを軽視している感じがしたうえ、妨害することに執着心があるように思ったとした。
実は、動画の場面の前にも、乗用車からあおり運転をされたと明かした。乗用車に幅寄せされ、怖くなってトラックの前に逃げたものの、それでも乗用車はそのトラックを追い越し、動画の行為に及んだという。
動画の内容について、山科署の副署長は13日、府警本部に情報提供があり、現場は、京都市山科区小野の外環状線交差点だとして、取材にこう答えた。
「車の所有者や府警への情報提供者とは、まだ連絡を取っていませんが、車のナンバーが分かっていますから、所有者を呼び出して、近日中に事情聴取する予定でいます。今の時点では、あおり運転かどうかは分かりません。動画の前段が分かりませんから、立件するかどうかは、何とも言えません。交通違反の切符を切るかどうかも、その程度にもよりますね」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)