元プロ野球・ヤクルトの古田敦也氏がYouTubeチャンネル「フルタの方程式」を2022年4月12日に更新し、最新の動画で4月10日に史上最年少バッテリーで完全試合を達成したロッテ・佐々木朗希投手と松川虎生捕手の能力などに言及している。
「経験値は少ないはずなのに」
20歳5カ月の佐々木と18歳5カ月の松川は10日のオリックス戦で、合計38歳10カ月の若さで完全試合を達成。四球も許されない完全試合について「ストライクゾーンだけで勝負しないといけない」と厳しさを語る古田氏は、バッテリーの「決め球」に特に注目した。
「ほとんどストレートとフォークボール。フォークボールが圧倒的に多かったけどこの選択は立派」
「『さっきストレートでやっつけたから今度スライダーにしようかな』とか思うんですよ。2打席目3打席目になると。でもフォークとまっすぐの組み合わせが一番打ちにくいっていうのを松川くんが分かってるっていう」
「色気出さずにそれを貫いていくっていう最善を行ったなあって。それをなんで知ってるのか、経験値は少ないはずなのに。誰か教えてるのか勘か感覚なのか、そこが松川くんが凄いなって思ってね」
動画の中では、決め球の球種をストレートとフォークに絞ったことが完全試合をもたらしたと分析している。そして「彼(佐々木)のフォークボールは落差あるしね」と松川の捕球能力の高さも評価した。
完全試合で佐々木と松川はオリックスの主軸・吉田正尚を3打席3三振に抑えた。特に2打席目に2球カーブを続けて2ストライクを取り、続く2球フォークを投じて三振を奪った配球を「カーブ2球続けるってのはようせんなあ。だいたい2球目打たれるからね」とコメントしている。
ただ、完全試合における捕手の貢献度を聞かれた古田氏は4月10日の試合においては「佐々木くん90%ですよ」とも答えた。「山本昌みたいなピッチャーだったら、キャッチャーの割合は増えるんですよ。配球で相手の裏をとっていくのがいくつかあってできた面もあるので。松川くんがどうかではなく、佐々木くんがそれだけレベルの違うことをやってるんで」と話している。
石井一久はノーヒットノーラン寸前で交代を申し出た?
古田氏は現役時代に捕手として2度ノーヒットノーランを経験している。1995年9月9日のヤクルト―巨人戦でテリー・ブロスと、97年9月2日のヤクルト―横浜戦で石井一久とバッテリーを組んで達成した。記録がかかったベンチの雰囲気を聞かれ、
「5回終わりでひと区切りあって、6回終わりでピリピリっとしますね。7回くらいになるとピリツキどころか誰も触れなくなります。触れなくなります」
と話すが、後者の試合では当の石井一久が自ら交代を申し出ていたという。
「8回終わった時に(石井が)『マウンド降ります』『疲れたんで』と言ったんで、俺がさすがにその時は行って『お前投げろ!』と言って」
「コーチが『本人降りるって言ってます』って監督に言いに来たんで。俺はいつも監督の前に座ってるから、それ聞いて乗り込んで行って『お前今日だけは投げろ!』って言って(笑)。その時だけちゃうかな、ピッチャーに向かって『投げろ』なんて言ったの」
と振り返っていた。